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流通経済大サッカー部日記「たつのこ日和」

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キャプテンの週末

 昨日は大学リーグでは今季初めてのたつのこフィールドでの試合でした。たつのこフィールドは流通経済大学がある茨城県龍ヶ崎市に一昨年できたばかりの陸上競技場。ちなみに「たつのこ日和」の「たつのこ」もここからきています!そんな地元であるたつのこフィールドで昨日は中央大学と試合を行いました。しかし、結果は2-2の引き分けでした。

 前半はお互いにチャンスを掴みつつも0-0で終了。後半に入ると49分に「中大にはレッズ(ユース出身)がいっぱいいるから負けたくない」と試合前日に言っていた宇賀神が先制。しかし63分には交代したばかりの選手にCKからヘディングで決められ同点にされます。この失点については「メンバーチェンジした相手にいきなりCKで入れられるのは神奈川大の時と同じ。マークのズレで失点し、もったいない」と試合終了後に中野雄二監督も残念そうに振り返っていました。そして迎えた74分、中盤の要である千明がペナルティエリア内で相手を倒し一発レッドで退場。その後、中大にPKをきっちりと決められ逆転されると、その後は退場者を出した流経大は10人での戦いを余儀なくされます。数的不利ではありましたが、それを感じさせない攻撃を見せる流経大。しかし、攻めても攻めてもゴールは遠く、1-2のまま後半ロスタイムに入ります。そして試合終了間際。途中交代で入った張がペナルティエリア内で倒されました。絶対に今のはPKだと、流経大サイドではピッチの選手を始めベンチもサブもスタンドも全員が立ち上がりました。しかし審判はファウルを取ることなく試合はそのまま続行。同点になる最後のチャンスすら失ってしまったと思いました。もう今日は負けてしまうと、その場にいる殆どの人が今季初黒星を覚悟したとき、キャプテンの船山が放ったシュートが見事ゴールネットを揺らしました。そしてその後直ぐに笛が鳴り、試合は劇的な同点劇に終りました。

 そんな劇的な同点劇を生み出した船山のゴールについては、「あれは絶対にセンタリング!狙ってない!」「いや!あれは狙ったでしょ!そういう蹴り方だった」と後に部員の中で意見が分かれていましたが、今日になって船山本人にたずねると「狙ってないよ」とのこと。狙ってないにしてもラストワンプレーでゴールを決めてしまう辺り、流石キャプテン。やはりチームを導くキャプテンとしての資質を船山は持っているみたいです。

 しかしそんな船山も「キャプテンだろうがこんなんじゃ試合に出さない」という前回のコラムで書いた中野雄二監督の言葉通り前節はスタメンから外され、1分すら試合に出ることができませんでした。さらにこの試合でも、前節にFW武藤がハットトリックしたこともあり、後輩からスタメンの座を取り戻せず、後半初めからのスタート。そして、最後の劇的なゴールに至りました。

 試合(特に公式戦!)に出続けることで選手が成長する例はマネージャーをやってきた中でも良く見てきましたし、良く言われていることですが、今回は全く逆の話で、試合に出られない悔しさを味わったからこそこのゴールではないかと思います。まさにFWとしての、キャプテンとしての、船山の意地が詰まったゴール。だから本人が「狙ってない」と言いつつも、やっぱり狙ってたんじゃないかな?というのが私の本音です。とは言え、本当に引き分けて良かったというのがチームとしての感想で、試合終了後には中野雄二監督も「勝ちに等しいゲーム」と最後まで諦めずに戦った選手達を称賛していました。

 最後に、昨日たつのこで試合をした船山は今日もたつのこで試合でした。と言っても、今日はJFLのホームゲームの運営で、担架係り。上級生だろうとTOPチームだろうとキャプテンだろうとこのサッカー部の一部員であることに変わりはなく、当然仕事もします。昨日は選手としてピッチでチームを救い、今日は担架係としてピッチで選手を救い、今週末を大活躍で終えたキャプテン。そんな船山キャプテンに今後も注目して頂ければ幸いです。

※本コラムは不定期更新です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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