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流通経済大サッカー部日記「たつのこ日和」

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3度目の首位決戦

 1度目は2節目の慶大戦、2度目は4節目の早大戦。そして3度目は今節の明大戦。どの試合も結果次第で首位が入れ替わる大事な試合でしたが、慶大戦と早大戦の2試合と今節の首位決戦は少しばかり違いました。 それは流通経済大学が今回はチャレンジャーではなく、迎え撃つ立場であったということです。慶大戦では共に1位同士として、早大戦では2位として試合に臨み、その度に首位の座を奪ってきました。しかし今回、流通経済大学は首位として2位の明治大学を迎え撃つ立場となりました。


前半序盤から落ち着いたプレーを見せる流通経済大学は15分に武藤(雄樹、3年=武相高)が先制すると、そのまま相手にペースを明け渡すことなく前半が終了。ハーフタイムには中野監督も「ほぼ完璧なゲーム」と前半の試合内容を称賛していました。そして「後半相手よりも動ければ難しいゲームにはならない」と続けて、選手達を後押しし後半もスタート。後半に入ってからも、依然として相手に決定的な仕事をさせない流通経済大学は69分に、CBでありながら攻撃参加が持ち味の山村(和也、2年=国見高)が2点目を挙げます。その後もこれといった決定機を与えることなく2-0で試合が終了。首位の座を守り、2位明治大学との間にあった勝ち点差2を5に広げる結果となりました。明治大学も勝てば首位に躍り出ることができるチャンスだっただけに、相手にとっても大事な一戦だったと思います。でもそんな明治大学のチャレンジャーとしての勢いをかき消してしまうような流通経済大学の冷静な試合運びには、王者としての風格すら見えました。


 試合後。この日のチームと同じくとても冷静だったのは「攻撃はしたいけどDFなんで・・・」と口を開く山村。得点を取りながらもやはり無失点で抑えられたことが嬉しかったようで記者達を前に終始はにかんでいました。そして、他にやりたいポジションはありますか?という質問に「攻撃的なポジションがやりたいです」と冷静に答えている山村を見て彼のFWとしての姿を一度見てみたいなと思いましたが、今のところ彼以上のCBが見当たらないのでそれは夢のまた夢になりそうです。また、そんな山村に対して冷静さを欠くのは「点が入ったシーンも考え通り」とちょっと誇らしげな武藤。FWは点を取るとこんなにもイキイキとするのかという位に元気な武藤は今後についても「とにかくもう今は前半で交代してもいいくらいの気持ちで走ってます!今日も走れなかったから途中で交代させられたと思うんですけど、試合の中で走ればスタミナもついてくるんでこれからも頑張ります!」と非常に前向き。試合後にも関わらず、まだこの後にもう1試合くらいやれそうな雰囲気すら出ていました。ちなみに学年は山村が2年で武藤は3年。傍から見れば、高身長で落ち着きのある山村の方が先輩に見えるのですが本当は武藤の方が先輩です。是非試合をご覧になる際にはピッチ上での2人はもちろん、ピッチ外での2人にも注目して頂ければ幸いです。


 さらにその後、たつのこのピッチの横で中野監督を中心に丸くなる選手達。これはいつもの風景で試合後のミーティング。主に中野監督が選手達にその日の試合について話す場ですが、この日中野監督からは1点だけ。「明日からオフだけど、インフルエンザが流行ってるから人混みを避けるように。どうしても人混みの中に行かなきゃいけない用事のある人はマスクをすること。帰ってきたらうがいと手洗いをするように」正味30秒。試合のことに全く触れずに終わりました。監督として選手達に試合について言うことは何もなかったみたいです。選手達の自主性を尊重する監督らしい言葉だったと思います。残りも後2節。前期リーグを無敗で終えることができるよう、選手と一緒に頑張りたいと思います!

<写真>先制ゴールを決めたFW武藤

※本コラムは不定期更新です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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