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慶應義塾大ソッカー部主将戦記

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期待のROOKIES

 関東大学サッカー第10節、対駒澤大学戦。2-2の引き分けに終わったものの期待のルーキー藤田息吹(1年MF=藤枝東高)が初スタメン出場。今後の慶応大を背負っていく新世代、『夢にときめけ!明日にきらめけ!』(by 「ROOKIES」集英社)

 前節の敗戦で、途切れた流れを呼び戻す起爆剤として、藤田は大抜擢されました。昨年、藤枝東高の10番を背負い、全国高校サッカー選手権でベスト16入りの実績を持つ彼は、この日も駒澤大のロングボールのこぼれ球に、必ず現れてはボール奪取。慶應の守備と攻撃のスイッチ役を担う大活躍でした。「やっぱり練習試合とは訳が違い、消極的になってしまいました。」と本人は至って謙虚ですが、ピッチ上での堂々としたプレーからは、今後の活躍を予感させる風格が感じられ、更なる大ブレイクを期待したいと思います。

 藤田を筆頭に、今年の慶応には、期待のROOKIESが沢山入部してくれました。怪我で出遅れたものの前節からベンチ入りしている甲斐公博(1年DF=横浜Fマリノスユース)は、山田直輝や柿谷曜一朗らと共にU-17日本代表として世界基準を知るクレバーなディフェンダー。山浦公裕(1年MF=FC東京U-18)もまた、U-16日本代表としてアジアユースに出場、2度の全国優勝経験を持ち、ボランチ・サイドハーフなど複数のポジションをこなすユーティリティプレイヤー。高校サッカー選手権で5得点を決めた破壊力抜群の川久保理(1年FW=国学院久我山高)や香川佑介(1年DF=横浜FCユース)、他にも内部進学生やJ下部組織出身選手など、可能性と期待に満ちた顔ぶれが溢れています。
 
 振り返れば、4年前。右も左もわからないまま静岡から上京した私は、服装や挨拶から細かなところまで厳しくて緊張感のある新環境に想像以上のストレスを感じていました。1時間強の通学やグラウンドの水抜き、粗相による長時間のミーティング、同期の織茂らと2~3人で仕事を回しながら「辛い、辛い」と嘆いていた当時は、サッカーを辞めたいと思ったこともありました。ただ、そんな時に支えてくれたのは、当時の主将や主務・4年生の存在でした。主将が雑用を一緒にしながら話しかけてくれること、主務が試合で結果を出せない私を励ましてくれること、ご飯を奢ってくれる、アドバイスをくれる、些細な言動も一つ一つが温かくて、新鮮で、心から尊敬できて、自分が4年生になったらこんな先輩でありたいと切に思いました。まだ当時の先輩には、遠く及ばないかもしれませんが、自分を成長させてくれたこの部のために、可能性溢れる後輩のために、あと半年、何か残して卒業したい。私には、伝統継承・部への恩返し、その責務があるとも感じています。そのためには、最後まで諦めずに、目標に全力130%で取り組むような、慶応生らしい姿勢を示していくべきなのでしょう。
 期待のROOKIES達!夢にときめけ!明日にきらめけ!!

<写真>期待の1年生、川久保(左)と藤田

※本コラムは不定期更新です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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