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流通経済大サッカー部日記「たつのこ日和」

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もう1人の10番

 サッカーにおける背番号10番は言わずもがなファンタジスタ。10番という番号を背負っているだけで何かやってくれそうな気がする。そして、流経大サッカー部の10番は泣く子も黙るテクニックの持ち主、金久保順。しかし、それはトップチームの10番であり、実は他にも10番の選手が存在する。というのも、流経大サッカー部にはトップチームを含めて、チームが7つ。つまり10番の選手が7人存在する。今日はその7人の中の1人についてのお話です。

 6月27日。RKUフットボールフィールドで行われたIリーグ関東DブロックRKU.U-21vs東海大学虎嘯FCは、RKU.U-21が0-4のビハインドで前半を折り返す。ハーフタイムには「奇跡の逆転ないかな?」とスタンドで応援している部員。単純に5点取らなければRKU.U-21の勝利はなく、勝ち点3が非常に遠いことは誰の目から見ても明らかだった。が、後半開始直前スタンドが少し色めきたつ。

「こうじー!こうじー!」応援部員がひたすら名前を連呼する。うるさい程に連呼されたその名前「こうじ」こと「石戸浩士」こそがRKU.U-21の10番。万全の調子でないこともあり、この日は後半からの出場となった石戸だが、「後半から浩二くんは反則でしょ」とスタンドも期待を寄せる中、後半がスタート。本来FWである石戸はトップ下のポジションに入りチームの流れを変えようとする。
 後半について「俺が入って変わったわけじゃないけど後半は点を取りに行こうという意識が全体的に生まれた」と石戸も試合後に話していたが、後半は確かに圧倒的な攻撃力を見せたRKU.U-21。しかし結果的に後半45分で取れた点数は2点、2-4でRKU.U-21は東海大学虎嘯FCに敗れた。この日、奇跡の逆転は起きなかった。

 「ぬるい。ひとつひとつのプレーがぬる過ぎる」これは石戸から見た前半のチーム。「全体的に他人のせいにする場面が多かった」とベンチで試合を見ていた10番は前半のチームに対して少しばかり残念な想いを抱いていた。じゃあどうすれば勝てるのかな?と聞くと「自分に厳しくトレーニングすること。みんなトレーニングの時にどこかで制限しているから、試合でここぞっていう時に力が出せない。俺も制限しているところはあるけど、ラストの年ってのもあって下の学年よりは頑張れてるかな?」と石戸が答える。
 彼もまた、4年生、今年が最後。今シーズンの最初はトップチームに所属し、大学リーグ開幕前のJFLではスタメンを飾っていた。しかしそんな石戸の今の主戦場は大学リーグではなくIリーグ。この状況については「現状を考えると、今置かれている立場で精一杯頑張るしかない」と力強い言葉をくれた。
 次は7月11日に東洋大学で東洋大学と試合。次の試合はどうかな?と聞くと「勝つしかないでしょ!」と。10番を背負う選手の言葉には説得力がある。なぜか次の試合は勝ってきてくれるような気がした。

流経大サッカー部には、チャンスを掴みトップチームで活躍する選手がいるように、チャンスを失いトップチームから落ちる選手もいる。今の石戸は後者だが、この先前者に返り咲くことは大いにありえる。なんといっても彼は10番を背負う選手。Iリーグのファンタジスタがこの先何かやってくれる気がしてならない。もちろんIリーグでも大学リーグでも!彼の今後の活躍に期待して頂ければ幸いです!

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