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慶應義塾大ソッカー部主将戦記

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リーダーズキャンプ

先日、関東大学サッカーリーグ後期開幕を前に、1部2部に所属する全24チームのリーダー(主務と主将)がJFAハウスに集い、今後の大学サッカーの発展に向けたディスカッションを行いました。

会合は、まず後藤学連幹事長から「大学サッカーの現状説明」、その後に吉村順天堂大学監督より「大学サッカーのビジョン」と題してご講義いただきました。その特に核となったのは、大学サッカーの役割・社会的意義でした。
現在1059名の全Jリーガーに対して304名(内188名が関東)と大卒選手の占める割合は拡大し、特に2008年度、新たにJリーガーとなった選手120名中67名が大卒新人ということで、大学サッカーに於ける「トッププロ育成」としての役割は急速に高まってきているといえます。
こうした役割のみならず大学サッカーには「人間形成の教育的意義」や「他分野で社会を牽引するリーダーの育成」といったことも要求され、私達が4年間を通じて養うべき要素は、幅広く複雑で、どのカテゴリーより大変な使命だと感じます。

少々言い過ぎかも知れませんが、100名近い大規模組織に於いて互いの価値観を理解し合い、また自立した個人として主体性が求められ、高いレベル(セミプロ)で自らの道を模索する経験、ましてや活動には公共的・社会的意義まで求められる4年間は、一般学生や他スポーツに励む学生も味わえない大きな経験だと感じます。だからこそ、こうした役割をきちんと担えるような大学サッカーの仕組みづくりを進めていく必要がありますし、各大学のトップが協議し、環境を先導していくことに、大きな意義があると思いました。

しかし、こうした矜持が増さるばかりで、実態としては、「マネジメントポイント制の採用(*遅刻や忘れ物等によるリーグ戦勝ち点減点システム。大学生としては恥ずかしい。)」や「少ない観客動員数(国立競技場で開催される高校サッカー決勝が5万2千人収容に対し、同競技場開催のインカレ決勝は8000人)」等、まだまだ不甲斐ない状況に甘んじています。

本会合では、こうした現状を鑑みた上で、私達は今、何をしていくべきなのか、大学サッカーの発展に主体である各大学サッカー部は何ができるのかといった部分に焦点を当て議論していきました。ディスカッションを終えて、他大学の取り組みを把握できたことや各大学主将との交流を深めることが出来たことは大変良かったと思います。
しかしながら正直に言えば、40分間の議論しか出来ませんでしたし、出てきた結論としても「地域貢献」「メディアの活用」等、理想論に終始した打算的なものになってしまいました。(日々ご尽力してくださっている学連の方々が期待したほど有意義な発表は出来ず…)
大学サッカー発展という問題提起に対し、“外に伝える”部分の「地域清掃」や「広報誌の作成」等を提案することは、容易であり、きっとそれを実施することも「部の仕事だから」となれば当たり前に行われるでしょう。ただ、大事なことは、そういった活動を通じて「普段から練習に通う道のゴミが拾えるようになること」「地域や学校の方に清々しい挨拶ができるようになること」といった“内を高める”部分、部員一人一人の本質的な人間力の向上だと思います。

大学サッカーを通じて、全大学部員一人一人が内面を磨くこと、これが自然と同大学内の関心を呼ぶことに繋がり、地域の方々から愛される存在となることに繋がり、ひいては、大学サッカーの発展、日本サッカー界へのイノベーション、社会の一翼を担う人材輩出へと結びついていくように感じます。
そのために率先・先導して部全体に発信していくことが、私達リーダーズの宿題です。

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