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慶應義塾大ソッカー部主将戦記

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あばたもえくぼ

9月5日、後期リーグが開幕しました。スタートダッシュを懸けた大事な初戦、加えて、対筑波大には38年間勝利していない歴史があり、この歴史を塗り替えるんだ、という意味合いもある一戦でした。しかし、全体に連携がかみ合わず、攻守に精彩を欠いたソッカー部は、1-3の逆転負けを喫してしまいました。個人的なパフォーマンスに於いても、チームマネジメントの部分に関しても、私自身、問題が多かったなぁと責任を感じています。

私自身そうなのですが、チームの調子が上がらない時、組織のトップは、どうしても諸悪の根源を断ち切ろうと必死になってしまうように思います。あれが良くなかった、こうしていたから駄目になったんだ、等々…。チームの事を思うあまり、客観的な視点を忘れ、ついつい厳しく厳しく重箱の隅をつつくように、メンバーに対して完璧を求めてしまうものです。私もチーム全体に流れていた慢心・危機感の欠如に、何らかの処方箋をと思い、厳しい接し方が増えてしまっていたように振り返ります。勿論指摘が、後々利益を齎してくれることは事実だと考えます。しかし、自分がこれから社会に出て、上司を持ったときの事を考えてみれば、ただ壁に貼られた営業成績を叩きながら、単に「結果を出せ」「ノルマ達成しろ」と叱咤する上司の前では、個性を出すことができないばかりか、やる気までも奪われてしまうと思います。おまけに「数字さえ出しておけばいいんだろう」とばかり、全員が目標数字達成だけに目を奪われてしまう結果、それ以上のものが出てこなくなってしまうかもしれません。結果的に、これでは十分な成果をあげることができなくなります。誰でも、ミスしても、ファインプレーをしても、声を掛け合って励ましあった方が頑張れますよね。
勿論、「自発的に自分を律する行動が取れる部員だから」という信頼があるから言えることでもありますが、練習に於いても、普段の言動に於いても、お互いを尊重して“褒めあう”ことは、非常に大切なアクションだと再認します。
誰かが何かしてくれたら感謝し、礼を言う。キレイなものを見れば感動し、言葉に表す。迷惑をかけたら素直に謝る。こういった基本動作の一つが、人を褒める、ということなのではないかなと思います。当たり前すぎることですが、行動に移せば、チームの倦怠感も吹き飛び、結果にも繋がってくるはずです。

余談ですが、先日のゲームでは、計9名の静岡出身の選手がいました。筑波大学の深澤裕輝選手は、同じ静岡高校の出身で、優れた技術を持った選手です。高校時代、練習後に一緒にシュート練習をしたり、試合帰りのバスで数学の問題を解いたり、特に私の苦手だった化学は深澤先生になって貰い、何度も教えて貰っていたのが懐かしいですね。3年間一緒に切磋琢磨した同期と、単なる同窓会ではなく関東1部リーグで再会できるのは大変嬉しいことです。敗戦のショックも大きかったのですが、勇気をもらえました。負けてられない!

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