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慶應義塾大ソッカー部主将戦記

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おかたづけノススメ

前節、後期開幕戦を落としたソッカー部は、9月11日法政大学との第2節に臨みました。前回の試合から意識改革し、強い危機感と個人が責任感を持った中で試合を迎える事に努めました。終始、法政大の猛攻にあいましたが、全員が高い意識を持って攻守に尽力したことで、後期初勝利(1-0)を収める事ができました。正直、主将としては、ホッとした気持ちでいっぱいです。

後期開幕戦の敗戦から1週間、危機は最悪期を脱し、チーム状況も一応持ち直しつつあります。意識改革といった意味でも、今節は出場している11人だけでなく、万全の状態で準備するサブメンバー、(会場が駒沢第二球技場だったため)メガホンが使えない中、声を枯らして応援してくれる部員、全員が「この試合絶対に勝つ」という意気込みを持ち、試合を迎えられた事が結果に繋がったように感じます。
まさしく、各部員が真剣に危機に対処した結果ですが、試合のプレーも各部員の自立心も依然、応急処置のつっかえ棒に頼っています。ソッカー部が本来の姿を取り戻すには、なお時間を要すると感じ、もう大丈夫といった油断は禁物です。経験のある4年生をはじめ、前節の敗戦から教訓を汲み取るべきであり、各部員がより一層の高い意識を持つことが必要とされている状況でしょう。

勝利への安堵もさることながら、一旦緩急あれば、総崩れしてしまいそうな危機感を拭えないのは、ところどころに、“らしからぬ”粗相が垣間見えるからです。実は前節、筑波大学戦の試合後、副務の久保田将樹が、全選手退室後のロッカールームを、服を汚しながら丁寧に雑巾掛けしていたのを見てハッとしました。
「選手のロッカーの使い方が汚いなぁ、こういう部分が試合にも出てしまったかなぁ」と。久保田の、試合には出場できないけれども、自分のやれる範囲で最大限チームの勝利に貢献するという気骨を再認したと同時に、「こういう意識を全員が持たないとなぁ」と漠然と思っていました。
今節、1年生の甲斐を始め、自発的にロッカー清掃に努める姿勢を見られたのは、頼もしく思えましたが、試合後、日吉の練習場へ向ってみると、一転眉間に皺がよってしまう部室の状況。靴やサンダルが散乱し、練習着も籠の中にもみくちゃにされている状態を見て、まだまだチーム全員が凡事徹底の気概を持つには、至っていないと改めて感じました。

実際、ロッカールームが綺麗だからチームが勝つわけではありませんが、「掃除はやったから良し」とする部員が、ほとんどという状況は、依然として「自律した個人」への意識改革ができていない証と受け取れます。「掃除をした」ということはあくまでも一つのアクションにすぎません。結果的にゴミが残っていれば汚いままなわけです。同様に、ロッカーが来たときよりも美しくなっていること、質の高い清掃ができることといった凡事徹底の習慣が出来ている人間は、サッカーに於いても「シュートを打った」という行為に満足せず、打ったシュートが結果として現れるようスピード・コントロール・タイミング等…高い“質”を求めるように励むのではないでしょうか。

残念ながら、ソッカー部の部室は汚いですね。「言われる前にやれ」とは、李監督の口癖ですが、そうして注意される選手ほど、汚い傾向が明らかです。
「自分の身の回りをきれいにできない者が、なぜ社会をきれいにできるのか(松下幸之助氏)」の格言を用いるまでもなく、サッカースクールにきた小学生が、この部室を見たらなんて言うでしょうか?

「○○コーチ、おかたづけくらいしましょうね。」

今年の慶應ソッカー部のスローガンは「PRIDE」。

<写真>試合後ロッカーを清掃する(左から)甲斐公博、田中奏一、野本浩平

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