beacon

慶應義塾大ソッカー部主将戦記

このエントリーをはてなブックマークに追加

幻の原稿

誰にも見せない泪(ナミダ)があった
人知れず流した泪があった
決して平らな道ではなかった
けれど確かに歩んで来た道だ
あの時想い描いた夢の途中に今も
何度も何度もあきらめかけた夢の途中

いくつもの日々を越えて 辿り着いた今がある
だからもう迷わずに進めばいい
栄光の架橋へと…

11月16日、インカレ出場には、残り2戦で2勝しなければ道断たれる“背水の陣”で臨んだ対早稲田戦。お互いに死力を尽くし闘った。1-0で勝利を収める事ができました。
勝利を最優先する中でのゲームは、往々にしてつまらない鍔迫り合いが頻発してしまいます。しかし、今年対戦した早稲田大との3度の公式戦では、両校互いに紳士なプレーを貫き、対戦相手を敬った試合になりました。建前の言葉でなく、これは本当に何より嬉しく素晴らしいものです。当試合中は、耐えることのない応援が西が丘に溢れ、後には、両校のスタンド応援席でエール交換が行われました。早稲田大学ア式蹴球部のこうした姿勢は、我々にとっても大いに見習うところがあると思いましたし、4日後に行われたジュニアリーグ早慶戦(Jリーグで言うところのサテライトリーグ。トップチームのベンチメンバーが主に出場。)では、0-6と弊部は大敗を喫し、早稲田大の層の厚さや経験の差を再認する事になりました。このジュニアリーグの運営自体を早慶両校が主体となって進めているように、「技術」「マナー」「運営」様々な部分で今後とも両校が切磋琢磨していければ良いなと思いましたし、後輩達にも「俺たちが大学サッカーを引っ張っていくんだ」という気概を持って取り組んでいってほしいと思いました。

さて、冒頭の歌詞、いきなり何かと思われたでしょうか。
皆さんご存知、「栄光の架け橋」(ゆず)を抜粋しました。

早慶戦を前に、私は、後輩にモチベーションビデオの作成を依頼しました。関東2部リーグ時代での辛い経験、しかしそこから這い上がり、やっとの想いで摑んだ1部の舞台で、、そしてインカレ全国大会へのチャンスを得た今、、、。映像のバックミュージックとして流れてくる「栄光の架け橋」の詞は、まるでこの4年間を集約したかのようでした。本当にいくつもの日々を越えてたどり着いた今があり、今私達は、もう何も迷う事無く、ただ只管にインカレ出場という“栄光”の架け橋に歩みを進めています。

勝利を決するのは、「天の時、地の利、人の和」と言うそうです。神は、勝てばインカレという条件を与えてくれました。天の時。先輩も(もしかすると応援してくださる読者の方々も)大勢駆けつけてまるでホームのように西が丘を埋め尽くしてくれるはずです。地の利。3つの条件のうち2つは、整いました。では、残る一つ。私は主将として、チームを結束させる立場でこの1年間を歩んで参りました。チームは、一つになったのでしょうか?私はこの1年、部員84名やチームスタッフと信頼を築くことが出来たのでしょうか?もしできていたならば、負ければ引退である4年生は勿論、全部員がこの一戦に全てを懸けてくれると思います。人の和。

慶應義塾大学体育会ソッカー部第82代主将として、チームの和を束ねる立場として、私は使命を果せたか。
まさに集大成です。

TOP