beacon

玉乃淳の玉手箱

このエントリーをはてなブックマークに追加

「スペインの非常識な夜」

 常識ってなんでしょうかね? 世界では、ある地域では非常識なことが、別の地域では常識だったりします。みなさんの中には、サッカーがうまくなる為に、マニュアル本などを読んでいる人もいるかもしれませんが、今回はおそらくどこにも書かれていない、サッカーがうまくなるための非常識エピソードを紹介します。

 それは「寮」にまつわるお話です。寮と言えば下部組織が充実しているバルセロナで、本拠地のカンプノウの裏にあるマシア(ユース選手の寮)が有名かと思いますが、とにかく、リーガの下部組織の選手寮は「凄い」です。

 どんな施設かというと、簡単に表現すれば、高級リゾート地)佑・蠡阿靴・・柱搆・轟・・修領世砲・l膜・・・l詞沍・l・・・l・東・轟・柱l阜沍扁カフェテリア)、体育館があるほか、学校が隣接していました。まさに、サッカーをするうえで最高の環境が用意されていました(ちなみに最大のライバルであるR・マドリーの当時の寮は一個のホテルだったようです)。

 そしてそこには、スペインのみならず、世界各国からいろんな選手が集まっていました。ブラジル、アルゼンチン、カメルーン、ギニア、ドイツ、スイス・・・。ちなみに今でも活躍しているのは、ホセ・オルティス(アルメリア)、ブラウリオ(サラゴサ)、マヌ(ヘタフェ)らがいます。

 当時、日本でサッカーばかりしていて勉強嫌いだった僕は、ついに自由を手に入れ、楽しい生活が待っていると意気揚々としていました。 が、カルチャーショックの連続が待っていたのです。

 アトレチコが提携している学校なので、授業は選手達の練習時間、試合にあわせてカリキュラムされています。だいたい午後3時ごろまで勉強し、その後、5時から1時間半ほど練習。そして午後8時から皆で夕食を取り・・・

 ここからが考えられません! 普通ならテレビでも見て、11時ごろ"お休みなさい"・・・ですが、NO,NO,NO!! 食後にウイニングイレブン大会が始まるんです。みんな自分の出身地の代表を選択し、母国の誇りをかけた戦いが始まるわけです。

 とにかくみんな負けず嫌いで喧嘩になることもしばしば。そして、その大会の盛り上がりのまま皆でジムに直行し、あのプレーは凄かっただの何勝何敗だの、あの(ゲーム上の)シェフチェンコのプレーは俺にそっくりだったろう?(マヌ談)など、ラテンの音楽をボリューム全快で聴きながらガンガン筋トレをするんです。それもみんなで。。。

 時計を見るともう深夜11時を回っています)佑箸靴討・ち瓩・欧・擦突澆靴い箸い・廚い・て鐱椶寮験莉・靴鮴睫世・げ薪戮睛弋瓩靴泙靴・,靴・・の誓験茲任糧・生△眛IFAランキング通り。当然、日本は低いため、まったく要求をのんでもらえず、発言権すらもらえないことも(苦笑)。

 こんなことからも、日本サッカー界の立ち居地を肌で感じたわけです。少し話がそれましたが、まだまだ"非常識な夜"が続きます。まさに今付けたばかりの筋肉を見せびらかすように、寮内の体育館でフットサル大会が始まるんです。このころ、時計の針は深夜12時・・・。その後、皆が何時に眠りについたかは、ご想像にお任せします。

 世界のビッククラブでプレーしたい、より高いレベルでプレーしたい。そういう思いを募らせて生活をしていた彼らが取っていた行動は、実は世界では「普通」のこと。環境が違うので、一概に比較できませんが、世界と日本の差は、文化の違いではなく、プロ意識の違いであったことを今、10年の時を経て感じています。

今度、リーガの解説をやることになりました。みなさん、ぜひ見てくださいね。
@バルサTV 09/10リーガ・エスパニョーラ第29節マジョルカvs.バルセロナ[放送予定:4月1日-6日]
@FOOTでのチャンピオンズリーグハイライト ゲストでの出演[放送予定:4月2日-9日]
以上です。お楽しみに!!

本コラムの感想はこちらまでお寄せください。

TOP