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玉乃淳の玉手箱

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「神様の衝撃的な一言」

 みなさん、こんにちは玉乃です。今回は読者の方からいただいたメールに、「海外の練習内容を知りたい!」というお声をいただいたので、スペインの練習内容の一部をあの"神様"の言葉を思い出しながら紹介いたします。

 「次元が違う・・・」。よくJリーガーが世界の選手たちと自分達とを比べて比喩する言葉です。次元が違えば、絶対に勝てません。これはスポーツ界の法則です。この体格は生まれつきだからしょうがない…アフリカの身体能力はずるい… 欧米人とは骨格が違う…などという思いは生まれるでしょうが、それを言っていては向上はありません。

 そこでよく思い出すのが、2006年ドイツW杯で予選敗退後に日本を率いたジーコ監督が指摘した日本の課題です。会見で報道陣が「日本に足りなかったものは?」と質問したところ、ジーコ監督は「足腰が弱い」と言いました。この発言は皮肉ととられたり、「そこを理解したうえで、勝利を導くのが監督の仕事。責任転嫁だ」などと失笑された方もいたようですが、僕はその言葉に衝撃を受けました。

 日本の代表レベルの選手たちに対しての言葉なので非常に深刻だなと思うと同時に、何人のサッカー関係者が、このメッセージに対して危機感を覚え、サッカーの神様ジーコが発した言葉として素直に心に刻めたのかと。まさに「次元の差」に苦しんだ大会だったと推測できます。

 ですが、「次元の差」は埋めることができると考えます。アトレチコユースでの寮生活では、前回少し書いたように色んな国籍の選手がいました。ヨーロッパ、南米、アフリカ、アジア…それぞれ全く違った肉体的な特徴をもっていました。今回は、「次元の違い」という言い訳をしないために、中学、高校年代でのスペインでの育成方法の一端をご紹介します。

 ズバリ、内容は陸上部顔負けのものでした。スペイン人の選手は週に2度、練習が始まる前に約1時間みっちり、器具を使った筋トレをやります。当時、僕はまだ中学3年の秋。日本では考えられない光景に戸惑いながら、自分の番になるとフィジカルコーチの目を盗んで、設定された重さより軽い重さで「やったふり」をしてました。筋トレ後のグランドで行われるフィジカルトレーニングを恐れていたからです。

 ただでさえ、体は重くなり、もう足腰はパンパンなのですが、陸上部並みのメニューが用意されていました。ただ、その厳しいトレーニングは、バリエーションに富んだ、アイディア溢れるメニューでした。選手たちの高いモチベーションもあって、ハイレベルな練習だったことを思い出します)佑瘡こ擇靴・室卒兇頬・燭気譴覆・・に・未両个澆・・・・舛力討排凖任靴慎⑱韻・△蠅泙・〇・阿龍搆柱擇燃擇鬚靴討い燭砲盍悗錣蕕困任宏苦笑)。

 フィジカルトレーニングの後、ボールを使った練習も行いますが、全練習を終えた後には誰一人、居残りで自主練習をしようとする選手はいませんでした。ジムで1時間行い、公式戦並みのハードな練習も90分。なるほど・・・できるわけないか!! と一人で納得しました。ちなみにこのあと、夕食後に前作の「スペインの非常識な夜」に続くわけです。

 当時を振り返ると、この体格は生まれつき・・・骨格が違う・・・などなど"弱音"が頭に浮かんでいましたが、どれも今は言い訳にしかならないなという気がしています。筋トレ量だけを見てもスペイン人のほうが3倍はやっていますからね。

 埋められないと思っていた「次元」の差-。ですが、前述したように、意識や取り組み方でまったく変わってきます。日本はしばしば、若年層での筋トレが疑問視されるケースもありますが、世界はあれだけ、やっているのです。ゲキサカユーザーの多くの方は、まだ間に合う年代だと思います。解決できる「意識」とう魔法の薬を、できるだけ早い年齢で飲むことをお勧めします。

今度、リーガの解説をやることになりました。みなさん、ぜひ見てくださいね。
@バルサTV 09/10リーガ・エスパニョーラ第29節マジョルカvs.バルセロナ[放送予定:4月1日-6日]
@FOOTでのチャンピオンズリーグハイライト ゲストでの出演[放送予定:4月2日-9日]
以上です。お楽しみに!!

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