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阪南大サッカー部「須和部ノート」

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向上と結果

『阪南大須和部ノート』、今シーズンも引き続き連載されることが決まりました。関西を代表する強豪の普段の練習などを中心に綴ってもらう予定です。お楽しみに!

 練習後、ネクタイ結びに悪戦苦闘しながら慌しく入学式へと向かう新1年生。その姿を見てふと2年前を思い出しました。「レギュラーになって、プロに行く!」そんな夢を抱いていた当時の私が、プレーヤーを引退し指導者を志す現在の姿を想像したはずもなく、ユニフォームを脱いで1年が経つ今でもこの現実に時折不思議な感覚になります。でもそれは決して悲観するようなことではなく、寧ろポジティブなものだと捉えています。このタイミングでなければ知りえない考え方、経験、知識が必ずあると確信しているからです。

 私はサッカー人生の幅を広げるため筑波大学大学院への進学を目指しています。その熱意を須佐監督に酌んでいただき、3月からトップチームに帯同させていただくことになりました。正直なところ今のポジションを例えばマネージャーや選手、コーチのような分かりやすい単語で表現することはできません。トレーニングのサポートを中心に、練習試合をパソコンで分析することもあります。ただ言えるのはココには学ぶべきことが溢れているということ。特に選手に対してスタッフが “観ているポイント”“伝える言葉の質”をすぐ傍にいて感じられるのは本当に刺激的で勉強になります。

 4月4日、関西学生リーグ第1節―大阪産業大学との試合がありました。「仕掛けて崩す!奪って攻める!」そんなアクティブな阪南を表現できず、誰ひとり満足できる内容ではありませんでした。しかしそれでも4-0できっちり勝ち点3を獲得したことは、チャンピオンを目指す上で大きな意味があります。

 幕開けした長いようで短いシーズンの中で私たちが目指すことはただ1つ『向上』であり、その先に栄光があります。そこにチームがガッチリと肩を組み、直向きに挑戦していけるかが重要です。私もプレーすることはなくともグループの一員として何とか貢献できるように努力します。

 また尊敬する首脳陣がチームの状況に何を感じ、どう判断するのか。それに対しての練習内容はもちろん、チームや選手(人間)へのアプローチ、駆引きなどその卓越した手腕のすべてを感じ、学んで(盗んで)いきます。

 コラムでは昨年多かった試合レポートに「指導者を目指す者」として立場をより色濃くして書いていきたいと考えています。どうぞ宜しくお願いします。

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