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阪南大サッカー部「須和部ノート」

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成功のためのポイント

昨年つけた「7」から阪南大のエース番号「14」に背番号を変更した井上翔太(2回、東福岡高)と9番中村雄大(3回、愛知FCユース)の2試合連続ゴールなどで、近畿大学を3-0で退け開幕2連勝を飾ることができました。

この試合が行われた高槻市萩谷サッカー場からの帰路は駐車場まで登り坂が続く格好で、試合で死力を尽くした選手には相当なハードワークです(大袈裟)。「遠すぎや!」到着した選手は例外なくそう呟いていましたが、私は寧ろ短いくらいに感じました。というのも歩きながら主将の井手口正昭(以下:井手さん=4回、東福岡高)に色んな話を聞いていたからです。

井手さんは2回からレギュラーに定着し、全日本大学選抜にも選出されています。危機察知能力に長けるインテリジェンスな選手で阪南にとって唯一無二の存在。名門・東福岡から阪南に進み、成功を手にしようとしている彼との会話が “高校と大学の違い”という話題になるとこんな話しをしてくれました。

「まずはピッチ内外で『自由』になるということ。高校はコーチや、先輩が厳しく管理してくれるチームが多い。食事、睡眠、オフの過ごし方はもちろん、サッカーの面はスタッフが細かく指導してくれる。でも特に阪南はその点で自由だろ? 1から10まで管理されていないし、教えてもらえる訳じゃない。だから自分で試行錯誤して答えを見つけなければいけない。それはすごく難しいけど、そこから逃げずにやっていけば必ず力になる。自分でやらなければ何も変わらないということ。それは常に真面目にやるという意味じゃなくて、リラックスも含めてオンとオフの切り替えだよね。
だから高校時代にはそういった自分をコントロールする力を養っておくことは必要。言われたことをただやるのではなくて、頭で噛み砕いて行動していけるかが大切だと思う。
サッカーの面は“基本技術”と“判断”。大学選抜でも強く感じたけど、高いレベルに行けば行くほど単純でも『止める、蹴るの技術』とそれをどういう形で発揮するかの判断力が求められる。
そういう面では大学選抜で一緒になった選手たちは意識が高くて自己管理の徹底は当たり前。怪我をしない努力も、した後のケアも最大限に尽くすし、多少の怪我では誰も休まないんだよな。」

結果を出してきた選手が発した言葉だからこそより重みを感じました。先へ急ぎ結果を求めがちですが、結局人間としても、選手としても土台が固まっていなければ高い場所には辿り着けないということを再認識しました。将来、最終的に中学、高校の育成年代の指導に携わりたいと考えている私には大変貴重な内容が聞けました。

※本コラムは不定期更新です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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