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阪南大サッカー部「須和部ノート」

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努力ではない努力

“努力しても成功するとは限らない。しかし成功した者は必ず努力した”

ボクシング漫画「はじめの一歩」(森川ジョージ、講談社週刊少年マガジン)の一節です。トップチームに入って約50日間、私はこの言葉の意図が少し分りました。

自由が与えられた環境で自身をコントロールする重要性について前回書きましたが、この時日のなかで“努力”する選手たちと共に過ごし彼らがなぜココにいるかを感じています。

それは彼らの中でその努力は“やって当然のこと”であり努力ではないということです。個人練習は言うまでもなく、例えば身体が重いと感じた場合ウエイトや銭湯で交代浴を行うことも、朝練にもエネルギーをしっかり摂取してから臨むことも彼らにとっては当たり前なのです。食事、睡眠の管理も然り、リラックスの質もそうです。

勿論、彼らの意識がトップレベルだなどというつもりは到底ありません。ミラン(イタリア)のFWフィリポ・インザーギは栄養学専門家の指示を守り脂質の多い肉は一切口にしないと聞いたことがありますし、R・マドリーのラウル・ゴンザレスは自宅に低酸素室を設置し、心肺機能の強化に努めているそうです。

しかし、超一流プレーヤーの彼らの中にもまた特別な努力をしているんだという優越感は存在せず、あくまで“勝つために必要なこと”という位置づけだと思います。
傍から見える努力は実は本気で成功を目指す人間にとってソレではなく、そのレベルで日々闘っているからこそ周囲から輝いて見えるのだと。“努力しても成功するとは限らない。しかし成功した者は必ず努力した”とはそういうことではないでしょうか。

※本コラムは不定期更新です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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