岡田ジャパンの快進撃を支える“人身御供”
[6月27日23時@ヨハネスブルク]
ジョージキャンプを打ち上げた日本代表を追い、今度はヨハネスブルク(ジョバーグ)にやってきました。
ジョバーグの空港ではスペインのラコルニャから来たというスペイン人に「日本はアジア最後の国なったね。本当にいいチームだ」と握手を求められました。ジョバーグだけではありません。ジョージでも、ケープタウンでも、「日本はいいチームだ」と何人かの人々に声を掛けられました。
快進撃を続けている岡田ジャパン。その要因として守備の安定、本田圭佑のブレーク、阿部勇樹の献身など数多くのものが挙げられていますが、忘れてはならないのは、ケガ人の少なさです。
普通なら3試合もこなせば1人や2人のケガ人が出てくるもの。ところが日本は、大会前に今野泰幸と長谷部誠が負傷しただけにとどまり、選手の入れ替えや、アクシデントによる試合中の交代がありませんでした。
ツイている! のは間違いありません。が。
実は、代表スタッフに2人の“人身御供”がいました。
お一人は日本サッカー協会広報部スタッフ。5月27日にスイスのサースフェーであった地元関係者との懇親サッカーで、右足のアキレス腱を断裂してしまいました。現地で手術を受け、ギプスで固定。執念で南アにやってきています。
もう一人もサッカー協会スタッフです。こちらはデンマーク戦の試合会場での負傷です。勝って興奮するサポーターが最前列に押し掛けたところ、フェンスが倒れ、左足甲を骨折(ヒビ)したそうです。
海外出張中に負傷しただけに、スタッフの方々は恐縮そうな表情ではありますが、「選手じゃなくて自分でよかったと思うようにしています」と苦笑い。意外なところに、防波堤がいるものですね。
(文・矢内由美子)