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東欧のサムライ熱戦記 by 瀬戸貴幸

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技術のトレーニングに費やした高校時代
by 瀬戸貴幸

みなさんこんにちは、瀬戸貴幸です。現在チームはオーストリアキャンプ中です。高地でのトーレーニングを行っていて、毎日が2部練習。午前は走り込みやジムでのトレーニングで午後はボールを使ったトレーニングを行っています。高地でトレーニングを行うことにより心肺機能を高めていきます。

前回は中学時代の話をしたので今回は高校時代の話をしたいと思います。僕が進学したのは愛知県の公立高校である、熱田高校です。公立高校の中ではサッカーは強いほうでインターハイにも出場したことがあります。中学3年時の進路を決める時期に親からは中京大中京高校(以下、中京)を進められましたが、中学卒業時の身長は160センチ程しかなく、中京には175センチ~180センチの大柄な選手たちが集まっていたため、行ってもまた試合には出られないだろうと思い止めました。それともうひとつは練習の厳しさなども聞いていたこともあり、やらされるサッカーではなく、自由にサッカーを楽しみたいという気持ちもあったため、熱田高校を選びました。

でもなかなか思うようにはいきません。高校に入学しても身長はあまり伸びず、筋力もなくひょろひょろだった僕はずっとBチーム。高校1年の時にはチームは高校選手権の愛知県大会の決勝まで進み、僕はその試合をスタンドで応援しました。そのときには2,3人の同級生がピッチに立っていて、『僕もいつかここに立ちたい』という気持ちが強くなりました。決勝では惜しくもPK戦で負けてしまい、全国大会には出られませんでした。3年生が卒業し1,2年生でのチームになったときも僕はBチームでした。理由は明確で、体が小さいこと。プラス足も遅く体力もなかったため、Bチームで試合に出ることが続きました。足元の技術や細かなテクニックは一番だった自信がありますが、それにフィジカルがついてこなければトップでは戦っていけません。それでも僕は“身長はいつか伸びるだろう”と思い、全体練習以外での筋力トレーニングは一切せず、居残り練習ではひたすら1対1やミニゲームをしていました。それには当時、身長が伸びる前に筋力をつけると身長が伸びないという話を聞いていたというのもあります。だから筋トレはせず、技術的なものをもっともっと伸ばすようにと練習しました。

高校2年の夏になると、身長が急激に伸びました。自分でも不思議なくらい急激にです。身長が伸びたからという理由でAチームに上がることができ、冬の選手権では中盤でレギュラーとして出られるようになりました。その選手権では準決勝で瑞穂陸上競技場のピッチに立つことができ、負けはしたものの、初めて大勢の観客の前でプレーする喜びを覚えました。

高校3年になると筋力トレーニングを取り入れるようにトレーナーに言われて、ようやくやり始めました。普通なら中学3年時や高校1年時には始めておかなければいけないトレーニングを僕はこの時期にやり始めたんです。身長が伸びないことがずっと悩みでず、もしその時期に筋力トレーニングをやっていたら身長は伸びていなかったかもしれないですし、本当に自分でもここまで伸びるなんて思っていなかったです(笑)。今では家族で一番身長が大きくなりました(笑)。身長が伸びて、足元の技術がありボールがキープできるということから、インターハイ後からはFWをやるようになりました。監督からの指示は『ヘディングはするな!胸でトラップしろっ!』でした(笑)。ただ、インターハイも選手権も結局は県内ですぐに負けてしまい、“目標”は達成されませんでした。
この頃からJリーガーになりたいと思っていました。選手権を就職活動にと思っていた僕の考えは甘く、Jへ行く道は難しく、高校卒業を迎えることになります。
次回は高校卒業後の話をしたいと思います。

※本コラムは水曜頃更新予定です。コラムの感想やルーマニアでプレーする瀬戸選手への質問はこちらまでお寄せください。

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