beacon

阪南大サッカー部「須和部ノート」

このエントリーをはてなブックマークに追加

keyword

「阪南に行ったら俺たち誰も試合出れへんのちゃう?」
 前期リーグのある試合の終了後、次節の対戦相手がスカウティングを終えて溜息のように言ったあの言葉は印象的でした。無論、勝敗は個人の力や実績で決まるわけではなく、それはサッカーが愛される理由の1つです。しかしながら改めてメンバーを見てみれば、ユース年代で一定の結果を残してきた選手ばかり。パンフレットの内容は関西では1,2を争う豪華さです。

 そんな中、川崎フロンターレU‐18で不動のレギュラーではなかった1回生が“ココ”で絶大な信頼を勝取っています。背番号30可児壮隆です。私も彼のプレー、サッカーに対する考え方、直向きさに魅せられている者のひとりです。先日の練習終了後、酷暑を気にすることなくグランドで小一時間話したとき、彼はこんなことを話していました。

「大阪に来てサッカーについて考える時間が格段に増えました。ユースと違って細かい部分まで指導されないから、より自分で考えて、判断して、行動するしかないんですよね。でもその作業が実は一番成長できる。この環境が僕には合っていると思う。大学で初めて親元を離れたんですが、阪南で結果出さなきゃ帰れない。そのくらい自分にプレッシャーかけてやっています。サッカーしかないッスから。」

 彼は私が指導者を目指すうえで大きなヒントになっています。考えることに限界はありません。ピッチを俯瞰で捉え、2つ3つ先のイメージで敵と味方とスペースを操る可児のプレーは私が理想とする形に非常に近いです。全てのポジションで攻守においてもこういう選手を将来育成できるようになりたいと思っています。可児と話していて、選手に“考えさせる”ことが1つのキーワードであることを確信しました。正しい道に連れていくことが全てではなく、その道がどこにあるのか、その先に何があるのかを選手に考えさせる。その手段、技術、タイミング、強弱を学びたいと思います。

 可児には現状に満足することなく、もっともっと上に行って欲しい。私は4年後ブラジルでプレーして欲しいと本気で思っています。

TOP