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Jを目指せ! by 木次成夫

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第236回 長野→讃岐「セレクション行脚」
by 木次成夫

12月23日に長野パルセイロ、翌24日はカマタマーレ讃岐。来季のJFL昇格が決まった2チームのセレクションを見ました。共に参加選手は約60人。好選手が多く、『昇格効果』を実感しました。

●12月23日
長野パルセイロ・トライアル

会場はパルセイロがホームで使用している南長野運動公園球技場。長野県とは思えないほど、温暖な気候でした。『一次』セレクションは紅白戦形式で、16人がクリア。昼食後に行われた『二次』は8人制で紅白戦。まずは、セレクション・チームVS.パルセイロ。その後、セレクション参加選手とパルセイロ選手をシャッフルした混成チームどうしの対戦も、ありました。8人制は、ボールに触れる機会や、1対1の競り合いが増えるため、短時間で選手の資質を見るには、効果的な策だったと思います。

≪一次合格選手の顔ぶれ≫
顔と名前が一致した選手を何人か挙げます。中でも、MIOや武蔵野などでアマチュアとして実績を積んできた選手は、『仕事との両立』(相対的に過酷な環境)に慣れているという点で、絶好の即戦力だと思います。

MF浦島貴大(22歳、MIOびわこ草津←北大津高校)
*MIO所属4シーズン(うち3シーズンはJFL)。主軸の1人。セレクションでは持ち前のオールラウンドなプレーを披露。パルセイロFW平石竜真(滋賀県の野洲高校出身)は「1学年上ですが、高校時代からの知り会いです。今回は平石さんの家に泊まらせてもらっています」(浦島)。

DF谷口浩平(26歳、MIOびわこ草津)
*10年シーズン、MIOの主将を務めたCB

FW冨岡大吾(25歳、横河武蔵野←日本体育大学)
*しなやかさと高さ(182㎝)を兼ね備えたストライカー。10年シーズンはチームトップのJFL9得点

DF勝野洋平(24歳、横河武蔵野←浜松大学)
*パルセイロでは層が薄いサイドバック。左右こなせるのも魅力

MF竹内優(25歳、松本山雅←駒澤大学)
GK原裕晃(32歳、松本山雅←栃木SC)

DF松田康佑(24歳、YSCC←桐蔭横浜大学←上田西高校=長野県)
*去る地域決勝(全国地域リーグ決勝大会)ではDFとしてパルセイロ戦でも大健闘。FWもこなし、10年シーズン、関東1部リーグ得点王&ベスト・イレブン

DF山下訓広(24歳、ロアッソ熊本←流通経済大学)
DF尾本敬(26歳、ザスパ草津)
DF西井光(23歳、ジェフリザーブズ←流通経済大学)、
FW佐藤陽介(27歳、V・ファーレン長崎)

●12月24日 
カマタマーレ讃岐セレクション

参加選手の中には、パルセイロのセレクション後、名古屋経由で電車を乗り継いで、夜遅くに高松入りしたという選手もいました。また、環太平洋大学(岡山県)、吉備国際大学(岡山県)、神戸国際大学、近畿大学、奈良産業大学、高知大学など近隣府県から多くの学生も集いました。

会場はカマタマーレがホームとして使用している香川県総合運動公園サッカー・ラグビー場(高松市)。瀬戸内海沿岸は相対的に温暖なハズと思いきや、前日の長野市よりも“はるかに”寒い上に強風。セレクション前後、カラダが冷え切った状況で食べた“本場”讃岐ウドンは最高でしたが……。

セレクションは『一次』が紅白戦形式(合格者17人)で、『二次』は北野誠監督らクラブ首脳との面接。関係者によると「年内には合否の連絡をする」とのこと。

≪一次合格選手の顔ぶれ≫
プロ契約経験者にクラブ側が、どの程度の条件提示をするかしだいですが、即戦力候補は多数いました。例えば――、

CB大島翼(27歳、松本山雅←ファジアーノ岡山)
*山雅所属時は、夫人の仕事の都合で「岡山から単身赴任でした。来季は松本市に引っ越す予定だったのですが……、今は岡山に戻っています」(大島)。セレクションでは持ち前のクレバーなプレーを披露。スイーパー・タイプはカマタマーレに不在。ベンチ入りできない状況でも、子供相手のサッカー教室など地域貢献イベントに精を出すなど、真摯な人柄も魅力。

SB天羽良輔(27歳、ソニー仙台←徳島)
*ソニー仙台とはプロ契約。攻撃力のあるサイドバックゆえ、チームとしては待望のタイプでしょうが……。

DF鈴木祐輔(28歳、ゼルビア←パルセイロ←ロアッソ熊本)
*北野監督とはロアッソ時代にコーチと選手の関係。地域決勝の際は、監督がパルセイロ情報を問いあわせた仲。

FW宮尾勇輝(24歳、V・ファーレン長崎=2シーズン所属←立命館大学)
SB野口遼太(24歳、徳島ヴォルティス・セカンド)
*09年シーズンのカマタマーレ戦でゴールを決めて、カマタマーレの優勝を阻んだ選手

DF西郡巧(23歳、ジェフリザーブズ)
DF高田健吾(21歳、ジェフリザーブズ←ジェフ千葉)

[サッカー+食+旅行=JFLの魅力]
例えば、信州そば→讃岐うどん。食べ比べは楽しいです。言うまでもなく、長崎はチャンポン。やがて、盛岡冷麺(岩手県)、喜多方ラーメンなど(福島県)もJFLで楽しめるようになれば……。Jリーグ基準が大問題の昨今、しばし、プレー・レベルを含めて『史上最高のJFL』を目指すのもアリでは? ウナギ(浜松=ホンダ)、牛タン(仙台)、キリタンポ&(都市は違うものの)横手焼きそば(秋田)、近江牛&琵琶湖の幸(MIO、SAGAWA SHIGA)、個性溢れる多数の飲食店(武蔵野)、湯豆腐&本場の『天下一品』ラーメン(京都=佐川印刷)、オランダ風コロッケ(高崎)、日本海の幸(石川県)、ソーキそば&エスニック料理(沖縄)……。考え方しだいでは、J1以上に満足できる観戦旅行ができるのでは?

[写真]カマタマーレのJFL昇格を祝す懸垂幕(高松市役所)

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