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阪南大サッカー部「須和部ノート」

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負けてたまるか

 写真は左から新キャプテン井上翔太(東福岡)、副キャプテンの岩本知幸(東海学園)と今村虹陽(守山北)です。翔太とモッティ(岩本)は過去に登場したことがありますが、虹陽は初でしょうか。今回は彼の紹介をします。

 虹陽は入学して以来紆余曲折を経て現在の副将の立場にいます。私の記憶では1回時に同学年でトップチームでの最多の出場時間を記録したのが彼ですが、2回の始めから3回の夏まではCチームでのプレーを強いられました。

 想像してください。彼の苦しさを。理想と離れていく現実を受け止めることの痛みはハンパではなかったはずです。しかし彼の心は折れませんでした。…「負けてたまるか。」

 1回生のとき、虹陽はリードした試合に残り1,2分で途中出場し、1度もボールに触らずに試合は終了しました。自分の出場の意味を悟った彼が、その込み上げてくる自分への不甲斐なさを抑えることができず、号泣している姿を私は今もハッキリと覚えています。

 3回の夏、トップチームに怪我人が続出したことで急遽招集を受け、出場した練習試合での「俺をトップに上げてくれ!俺はできるんだ!」と訴えるような魂しいのこもったプレーも私は深く印象に残っています。

 でもその“熱さ”が彼を支え、突き動かすのでしょう。その試合で彼はチャンスを掴み、トップに昇格し、ポジションを勝ち取りました。インカレのピッチにも彼は立ちました。

 自分の置かれた状況が納得いかなくとも、不遇に感じても。裏でぐちゃぐちゃ言っているだけでは何も変わりません。簡単なことです。今村虹陽のように、見返せばいい。「負けてたまるか」と這い上がればいい。ただそれだけです。

 ただ間違いなく這い上がってきた人間は本当に強い。彼がそうであるように。

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