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蹴れるって素晴らしい by DJ KOHNO フロム ケツメイシ

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積み重ねによる蓄積
by DJ KOHNO フロム ケツメイシ

先日とあるスポーツ誌で外国人代理人にスポットを当てた記事を読みました。
その中の彼の言葉に海外移籍をするならば若ければ若いほど良いというくだりがありましたが、それは青田買いされるというよりも、環境適応力の高さが一番のポイントらしい。

そこで思い出すのがオシムさんです。
彼がしつこい程に言い続けた「リスクを冒す事を恐れるな」と、この代理人が言ってる事には共通点があると思う。
オシムさんが言った日本人はリスクを冒す事を恐れすぎるという言葉について、僕は昔から色々考えさせられて来ました。

その言葉の意味を、です。

最近、経験を積んで来て(今年でメジャー10年目、スポーツで考えれば10年現役なのは中々だと思う)自分なりの解釈がようやくまとまって来たのですが、ようは経験を重ねる事に様々な事が自分の中に蓄積されていく。それは成功例であり、失敗例でありだと思います。

積み重ねによる蓄積の仕方にその国のカラーというか、国民性が大きく出てくるのでしょう。
つまりサッカーにおいては、日本では成功体験として蓄積され、周りからも褒められるような事が、本場ではそうではなく、下手をすれば失敗体験として指導されるというギャップがあるという事なのではないでしょうか。

なのでその蓄積値が少なく、というよりまだ確固たる成功体験をしきっていない若手は、ある意味本場の考えを吸収しやすいという事ではないだろうか。
現時点の能力より、それこそサッカーの本質を理解する才能を重視してるという事なのでしょうね。

オシムさんが使ったリスクという言葉だが、本当はそれがリスクではなく成功する為の手段であり、「リスクを冒さない事」こそリスキーだとオシムさんは言いたかったのではないでしょうか。これは価値観が全く反対の人間に教えなければいけないんだから、相当大変だったでしょう。

そこで出てくる問題もあります。日本人はこれまで様々な分野で日本人の成功体験をもとに勝って来たという歴史があるわけで、そう簡単には捨てられないし変わる事も難しいと思う。

ですが、たとえば音楽業界でも「CDが売れなくなった」と言われてから数年が経過しているんですね。でも、CDに代わるものが出てくる気配はあまりないです。配信も一時期の勢いは無い。そんな中だからこそ思いついた事に、色々動く事が大事なんではないでしょうかね。まさに動かない方がリスキー。

連日取り上げられているフェイエノールトの宮市亮選手も、今があるのはアーセナルに練習参加したりと、自ら動いたから。

「言うは易し行なうは難し」ですが、リスクを背負ったプレーや、サッカー以外でもそういった仕事や行動に賞賛が増える環境になればもっと日本は強くなるだろうなと思います。

ただしなんでもかんでも「外国最高」ってなる事は色んな意味で凄く怖い事だと僕は思います。長所は短所の裏返しですが、良い所を吸収する姿勢を忘れたくはありません。実は代表戦で帰国して合流してくる選手達は一番その事に(日本の良さ含め)気づいてるんではないでしょうか。

今年はコパアメリカを除けば大きく代表が盛り上がる試合は少ないので、今こそ協会メインスポンサーの方々にはJにスポットを当ててほしいなと思います。

※本コラムは隔週金曜更新予定です。感想はこちらまでお寄せください。

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