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Jを目指せ! by 木次成夫

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248回 JFL4~6節も中止決定
by 木次成夫

JFLは24日(木)、前期4節(4月2~3日)から6節(4月16~17日)までの全試合も中止すると発表しました。「なお、第7節以降につきましては4月5日以降に今後の方向性をご案内する予定です」(JFL公式HP)。

[34試合希望派VS.試合数減少希望派]
Jリーグに比べると、JFLの日程調整は簡単ではありません。企業チーム、Jリーグ準加盟チーム、JFLを頂点と位置付けているチームなど様々なチームが所属しているため、考え方に違いがあるからです。

24日にJFL運営委員会が開催される前、多くのクラブ関係者が気にしていたのは、リーグ方式でした。つまり、当初の予定通り全34節でやるか、試合数を減らすか。中には「1回戦総当たりに変更しても、かまわない」と話すクラブ関係者もいました。

土日と祭日だけを利用して、中止になった試合を消化するのは至難な状況です。平日開催、あるいは、11月27日に予定されている後期17節以降に試合を組むか。天皇杯で早々に敗退することを前提にして、天皇杯予定日に組み込む策もありますが……。

その一方で、試合数を減らすと日程的には楽になります。しかし、入場料収入の減少などクラブ経営にダメージを与えかねません。ただ、企業チームや、アマチュア・チームからすれば、試合数減少は受け入れやすい案です。

運営委員会での詳細は不明ですが「紛糾するかもしれないと思っていたのですが、意外なほど、異論は出ませんでした」(クラブ関係者)とか。

基本的には、2回戦総当たり(各チーム34試合)方式は変更せずに日程調整を進めるようです。競技場確保などを考慮すれば、「こうしましょう」→「そうしましょう」と即決はできないでしょうから、「これでどうでしょう」→「持ち帰って善処します」という感じだと思います。

とはいえ、もし、平日開催せざるをえないとすれば……、

①仕事をしている選手が休暇をとって試合に参加した場合、クラブが収入減少分を補てんするか否か。例えば、1泊2日で遠征した場合は、2日間分の報酬に相当する額。
②例えば、滋賀県には夜間照明付きの競技場はありません。つまり、県内で平日昼間に開催するか、他府県で平日夜間に開催するか――。
③夜間開催の場合、「ボールボーイや運営ボランティアなどを確保するのが難しくなる」(あるクラブ関係者)。
④夜間照明使用料など運営費が増加します。

[チャリティ・マッチ問題]
先週末、各地で入場料無料の練習試合が行われました。例えば、

●3月20日
アルテ高崎 6-0 FC群馬(県1部)
MIOびわこ草津 2-1 ツエーゲン金沢
カマタマーレ讃岐 3-2 愛媛FCしまなみ(四国リーグ)

それぞれ、JFL用に確保していた競技場を利用。MIO対ツエーゲンはJFL前期2節として同日に予定されていたカードです。石川県金沢市から試合が行われた滋賀県東近江市までは、バス移動で3時間程度だとか。

有料のチャリティ・マッチは1試合も行われませんでした。理由は、『申請→許可』に時間がかかるからです。まず、Jリーグ所属クラブはJリーグ、JFL以下に所属しているクラブはJFAの許可が必要です。今回の大震災後、Jリーグは規制を緩和し、迅速に対応することにしたものの、JFAは配慮ナシ。原則的には、試合開催日の前々月の末日までに申請しなければ、なりません。つまり、3月に申請しても、開催は5月1日以降ということになります。緊急事態ゆえ、融通がきくことを期待したのですが……。

無料の練習試合は施設使用料など経費がかかる一方、収入はクラブ公式グッズ販売収入程度。主催するクラブからすれば、リーグが中止になっている上に、練習試合で“持ち出し”は、キャッシュフローという観点で大問題。被災地への募金活動をしつつ、「クラブにもカンパして欲しい」というのが本音ではないでしょうか? もし、JFLが前期7節から開幕したとしても、当初の見込みから1ヵ月以上は主収入が得られないということですから。

今週末にも多数の試合が予定されています。例えば、

●3月27日
「東日本大震災における被災地支援のための募金活動及び慈善試合」。
ツエーゲン金沢対石川県社会人連盟選抜
*JFL前期3節開催のために確保していた西部緑地公園競技場(金沢市)で、臨時編成のチームと対戦し、募金などの支援活動もする予定です。

●3月27日
「東北地方太平洋沖地震JFL被災地復興支援試合」。
V・ファーレン長崎対三菱重工長崎
*同様にJFL前期3節開催のために確保していた島原市営陸上競技場で開催。募金活動、被災地へ贈る物資の受付、クラブ公式グッズ販売、選手私物オークションなどを実施予定。

2試合とも試合名がつけられています。当たり前と思うかもしれませんが、そうではありません。JFLが事前申請を前提に、試合名をつけることを特別許可したそうです。言い方を変えると、許可が出る前は「練習試合」あるいは「トレーニングマッチ」という名称しか使えなかったわけです。

[写真]3月19日、FC岐阜サポーターたちは応援ダンマクを作成(長良川陸上競技場)

     
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