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上の写真は、4月9日、長野パルセイロ対アルテ高崎戦後に行われた募金活動でのヒトコマです。題して『東日本大震災・長野県北部地震JFL被災地復興支援試合』。パルセイロは、この試合に長野県北部地震被災地(栄村)の子供たちを招待しました。試合前に選手たちとキックベースボールなどを楽しみ、その後、試合観戦。栄村までは、「車で2時間程度」(パルセイロ関係者)だそうですが、バスでの送迎サービス付きでした。

「今後は他県の被災地から避難してきた人たちの支援活動も考えています」(パルセイロ関係者)。

ちなみに、観客数は入場料無料にもかかわらず、608人(公式発表)。時折、雨が降るなど肌寒い天候だったことも影響したのでしょうが……。

[キックベースは面白い]
パルセイロの選手たちがキックベースを選択したのは正解だと思いました。ゆっくりボールを転がせば、素人でもボールを蹴り易い。カスっても、バントと同じ状況です。つまり、老若男女、楽しみやすい。当然ながら、手よりも足のほうが、ボールをスピーディに移動させることが可能ですから、守備選手が投げるのではなく、キックで一塁やホームなどに“つなぐ”のもアリ。今後、前座などでトップ選手(あるいはレディース・チームの選手)とファンがキックベースで対戦したら、かなり面白いのではないかと思いました。

●4月9日
長野パルセイロ 3-1 アルテ高崎　

≪得点経過≫
40分　0-1(得点:アルテDF山田裕也)
*FK→ヘディング

67分　1-1(得点:パルセイロFW富所悠)
*FW藤田信→FW平石竜真→ワンタッチ・シュート

87分　2-1(得点:パルセイロFW藤田信)
*CK→右足ワンタッチ・シュート

89分　3-1(得点:パルセイロFW富所悠)
*ドリブルで内に切れ込み→シュート

[試合総括]
アルテは主力メンバーで臨み、後半開始時に全員交代(最終的には26人が出場)。対するパルセイロは、主力メイン(つまり、ベストではない)と思われる布陣で臨み、後半開始時に5人交代(最終的には23人が出場)。前半はアルテの安定感、後半はパルセイロの潜在能力に期待感を抱けた内容でした。

[アルテ展望]
大学卒の若手が多い上に、熱血指導で定評がある後藤義一監督は就任3年目。意外性に欠ける面はあるものの、組織的に“つなぐ”スタイルには熟成を感じました。ただ、全員がアマチュアゆえ、コンディションとモチベーションの維持が課題なのは、今季も同様でしょう。

新加入選手ではFW土井良太(23歳、前ジャパン・サッカー・カレッジ、元・神戸)に期待したいところ。昨季は17位と低迷したものの、19敗のうち10敗は1点差。土井の高さ(190㎝)を活かす攻撃を熟成できれば、今季は、パワープレーでのサプライズも多々“ありえる”と思います。

[パルセイロ展望]
攻撃が停滞してしまう時間帯が多いのは相変わらず。攻守のバランスを意識し過ぎてか、フリーランニングが少ないのが、最大の要因です。そんな中、今後のカギを握ると感じた新戦力は、MF向慎一(25歳、元・栃木SC)とFW富所悠(20歳)の『前・東京V』コンビです。

向はボール・コントロールに長けたユーティリティ・プレーヤーでボランチもサイドも、こなせます。富所は、内にドリブルで切れ込んで、シュートに持ちこむプレーが武器。この試合、向は右MF、富所は左MF(登録はFW)でプレー。パルセイロの持ち味であるサイドバックの攻撃参加を助長する観点でも、2人の動きは重要です。

ところで、「前・東京V」といえば、松本山雅のGMも同様。つまり、4月30日の『信州ダービー』(山雅ホーム)は、山雅首脳陣の「選手を見る目」も賭けた試合になるということです。

もし、富所が左MFで起用されれば……、対峙する山雅の右サイドは、そもそも層が薄い上に、負傷者続出。守備を重視して左サイドの鐡戸裕史を右サイドで起用するか、それとも、FC東京戦同様に、本来はサイドアタッカーの今井昌太(桐光学園高校時代、パルセイロMF向の1学年先輩)に任せるか?

「そうですか。うちは、徐々に良くなってきていますよ。(ダービーが)楽しみですね」(パルセイロMF土橋宏由樹)

土橋が山雅の戦力外になり、パルセイロへ移籍してから今季で4シーズン目。33歳になった今も、ゲームメイク・センスは際立っています。

昨季のダービー(天皇杯予選決勝)は1-0で山雅の勝利。土橋は後半途中に2枚目のイエローで退場――。いわば「戦犯」になってしまったゆえに、今年に賭ける思いは強いでしょう。

気が早いですが、JFL全体を盛り上げるためにも、史上最多の観客数と、歴史に残る激戦に期待したいです。　
　
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