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ブラジルサッカー通信 by 藤原清美

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ブラジル、オランダに無得点引き分けでサポーターブーイング
by 藤原清美

親善試合6月4日
ブラジル0-0オランダ
ブラジル ゴイアス州ゴイアニア セーハ・ドゥラーダスタジアム


▼ブラジル出場メンバー
GKジュリオ・セーザル
DFダニエウ・アウベスルシオチアゴ・シウバアンドレ・サントス(→アドリアーノ・コレイア)
MFルーカス・レイバ(→サンドロ)、エラーノ(→ルーカス)、ラミレス
FWロビーニョ(→エリアス)、フレッジ(→レアンドロ・ダミアン)、ネイマール

 ブラジルが4日、ホームでの親善試合オランダ戦に無得点で引き分け、スタンドを満場にした約3万6500人のブラジルサポーターに、ブーイングを浴びせられた。

 この試合は、戦前からワクワクする話題でいっぱいだった。W杯南アフリカ大会後、新生セレソンの初めてのブラジル国内での試合。しかもその相手が、W杯でブラジルを準々決勝敗退に追いやった相手、オランダ。2014年のエースと期待される、新鋭FWネイマールを擁するブラジルが、オランダに復讐し、旧セレソンの雪辱を果たすことができるか。現地入りから、ネイマールの行くところはどこでも、大勢の少女ファンが溢れ、歓声をあげた。

 一方で、キャプテンのルシオがこのオランダ戦でセレソン100試合目を飾る。ベテランも気合が入っていた。

 試合は前半、守備を固めるオランダを、ブラジルが攻めあぐねる時間帯が続いた。ネイマールとロビーニョを両サイドに、センターにフレッジを置いた3トップを軸に、前がかりに攻めているようで、決定的なチャンスをつかめない。沈滞ムードを払しょくするべく、センターバックのルシオがドリブルで攻め上がったり、ヴォランチのラミレスが意表をつくミドルシュートを放つなど、様々な攻撃をしかけたが、奏功せず。逆にオランダにカウンターを仕掛けられ、ひやっとしたところを、GKジュリオ・セーザルの好セーブが救う場面も何度か見られた。

 後半は、ブラジルのスピードある連携プレーが繰り返し見られるようになった。オランダゴール前での波状攻撃を含め、45分間攻め続けたが、フィニッシュが決まらない。サポーターは、ブーイングで自国代表にプレッシャーをかけ、場内は異様な雰囲気となった。

 試合後、マノ・メネゼス監督は「後半は非常に良くなった。チームは成長している。」と振り返り、「ここまで、アルゼンチン、フランス、オランダと、3つのトップクラスの代表と戦った。勝利数で満足するために、勝てる相手とばかり試合をしていたら、2014年を目指した準備にはならない。成長過程で、厳しい現実と戦うことに意義がある。」と、引き分けを評価した。

 大きな期待を背負いながら、ノーゴールに終わったネイマールは悔しがった。

「サポーターはゴールを見たいんだから、それができなければ、ブーイングする権利がある。でも、チームは勝っても良かっただけのプレーをした。もちろん、勝ちたかったし、ゴールを決めたかったけど」

 好セーブでチームを救ったジュリオ・セーザルはチームメイト達をかばった。

「ブラジルは親善試合を活かして、チームの再構築を行なっているところ。若い選手もクラブではパーソナリティを発揮しているけど、セレソンは別モノ。サポーターは忍耐を持って欲しい」

 そして最後は、「プレッシャーはかかっても、母国サポーターの前でプレーできるのは、いつでも良いもの」と、満場の観客に感謝を語った。

[写真]ルシオ、セレソン100試合目の記念ユニフォームをマノから受け取る

※本コラムは不定期更新です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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