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Jを目指せ! by 木次成夫

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259回 JFL前期14節 松本山雅対カマタマーレ讃岐
by 木次成夫

6月7日、松本山雅は『成績不振』を理由に吉澤英生監督の解任と、加藤善之GMの監督就任を発表しました。

≪前期14節終了時点の順位≫
1位:琉球(勝ち点18)
2位:SAGAWA SHIGA(15)
3位:Honda(15)
4位:長野パルセイロ(13)
5位:カマタマーレ讃岐(13)
6位:V・ファーレン長崎(12)
7位:ツエーゲン金沢(12)
8位:ホンダロック(12)
9位:町田ゼルビア(11)
10位:栃木ウーヴァ(11)
11位:MIOびわこ草津(10)
12位:松本山雅(9)……。


●6月5日
JFL前期14節
松本山雅 2-2 カマタマーレ讃岐

[得点経過]
46分 0-1(得点=讃岐:岡本秀雄)
*左MF野口遼太が山雅DFラインの間を狙ったロングパス→岡本が絶妙のタイミングでラインを突破し、右足アウトでダイレクト

59分 1-1(得点=山雅:木島徹也)
*木島ドリブル突破→讃岐DF鈴木祐輔がファール→PK

76分 1-2(得点=讃岐:岡本秀雄)
*FK→右足ダイレクト

83分 2-2(得点=山雅:松田直樹)
*左サイドから木島徹也がクロス→ファーサイドに流れたボールを鐡戸裕史がクロス→ヘディング

[試合総括]
序盤から山雅はパスをつないで、優勢に試合を進めました。とはいえ、堅守速攻を狙って、“引き気味”で臨んだカマタマーレにとっては、想定内の流れだったでしょう。前半のシュート数は山雅=4本、カマタマーレ=2本。山雅は最後の詰め、カマタマーレはボール奪取後の切り替えがイマイチだったものの、お互いが「狙いに近いサッカー」を実践できたという印象です。

後半はドラマチックな展開になりましたが、お互いの持ち味が出たという観点では、前半同様でした。岡本の切れ味、木島徹也の突破力しかり。ただ、山雅は『10人対11人』という数的有利状況を活かしきれませんでした。松田のJFL初得点に至ったような『左右の揺さぶり』が、“もっと早い時間帯から”できれば、結果は違っていたかもしれません。

[カマタマーレ健闘中]
前期14節終了時点でカマタマーレは5位。山雅に比べると、『過去の実績』で劣る選手が多いにもかかわらず、サッカーの質は遜色ありませんでした。つまり、チーム作りは『カマタマーレの完勝=山雅の完敗』という見方もできると思います。

≪カマタマーレのスタメン≫
*フォーメーションは3-3-3-1。
GK:瀬口拓弥(22歳=今季加入、前・流通経済大学)
右DF:大島翼(27歳=今季加入、前・山雅←岡山←甲府)
CB:神崎亮祐(28歳=加入3年目、前 バンディオンセ加古川、元・川崎F)
左DF:鈴木祐輔(29歳=今季加入、前・町田ゼルビア←長野パルセイロ←熊本)
右MF:雨羽良輔(27歳=今季加入、前ソニー仙台←徳島)
ボランチ:中島健太(26歳=加入2年目、前・横河武蔵野←桐光学園高校=山雅の今井昌太と高校時代同期)

左MF:野口遼太(24歳=今季加入、前・徳島ヴォルティス・セカンド、香川県出身)
右アタッカー:岡本秀雄(27歳=加入3年目、前・徳島ヴォルティス←ヴォルティス・アマチュア←日本文理大学)
トップ下:綱田大志(27歳=加入5年目、前・鹿屋体育大学)
左アタッカー:石田英之(29歳=今季加入、前・富山←アローズ北陸←佐川印刷)
CF:西野泰正(28歳=今季加入、前・京都)

≪交代出場≫
MF飯塚亮(24歳=加入2年目、前・町田ゼルビア←新潟経営大学。昨季途中に期限付き移籍し、今季、完全移籍)
MF吉澤侑哉(25歳=加入4年目、前・鹿島←鹿島ユース)

≪負傷中の主力≫
DF波夛野寛(26歳=加入2年目、前・三菱水島FC←MIOびわこ草津)
DF・MF下松裕(30歳=加入3年目、前バンディオンセ加古川)

チーム全体で『前所属=Jクラブ』は3人(西野、石田、吉澤)だけ。前Jリーガーが多数派の山雅とは対極的です。ただ、だからこそ、どこまで通用するか(どこまで成長するか)という楽しみがあります。

「“この程度”のチームとの引き分けは、納得できない」という山雅ファンは多いかもしれませんが……。

[香川⇔長野県]
カマタマーレは本拠の高松市から松本市までの移動にバスを利用しました。「休憩時間を含めて8時間程度」(カマタマーレ関係者)だとか。例えば、『岡山→(新幹線)→名古屋→(特急)→松本』や『高松空港→羽田空港→その後はバス移動』など様々なパターンがありますが、「乗り継ぎなども考慮するとバスの方が楽」(同関係者)と判断したそうです。

ちなみに、最も時間を要するアウェー遠征は、バス移動予定の長野パルセイロ(長野県長野市)戦だとか。『高松空港→羽田空港→東京→(新幹線)→長野』の方が楽かもしれませんが、経費との兼ね合いもあるのでしょう。

当たり前のことですが、アクセスの悪さは、お互い様。そういう観点では、山雅とアウェーで引き分けたことは、カマタマーレにとって、上々の結果と言えるでしょう。

[写真]先制点を決めた後、歓喜するカマタマーレ岡本秀雄とファンたち

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