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ブラジルサッカー通信 by 藤原清美

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ブラジル、モチベーションの高いコパ・アメリカ
by 藤原清美

 ブラジル代表が、7月1日に開幕するコパ・アメリカに向けて、21日の夜、開催地アルゼンチン入りした。

 現地入りに先立ち、リオデジャネイロで2日間に渡るメディカルチェックを終えたセレソン。リベルタドーレス杯決勝出場のため、合流が遅れるサントスのネイマール、パウロ・エンリケ・ガンソ、エラーノを除く20人全員が、健康状態に問題なし。所属するミランの最終節で肩を負傷したパトも、帰国後、リオに滞在して治療とリハビリを続け「もうケガは100%治った。これからは、良いプレーができるコンディションに戻すために、全力で準備する」と、笑顔で状況を語っている。

 今回のコパ・アメリカ、ブラジルは一味違う。というのも、近年のこの大会、ブラジル的には、2001年のルイス・フェリッピ・スコラーリ監督も、2004年のパレイラ監督も、共に、絶対的な主力(ロナウド、ロベルト・カルロス、カフー等)は休ませて、それ以外の戦力を試すのに使う、という扱いだった。

 また、2007年のドゥンガ監督は、最強メンバーで行きたかったけど、シーズンに蓄積した疲労を理由に、カカとロナウジーニョが、正式に辞退を申し出た。

 それが今回は若手も中堅もベテランも、みんなが目の色を変えて、コパアメリカに出たい、そこで活躍したい、と闘志を燃やす。ブラジル開催となる2014年ワールドカップを前に、ベテランは生き残りをかけて、中堅と若手は定着をかけて、コパ・アメリカをとても重要視している。

 というのも、マノ・メネゼス監督は「セレソンでは、誰にも指定席はない」ことを、これまでの招集で見せているからだ。

 マノは、敗退で心身ともに消耗しきったW杯南アフリカ大会レギュラー組に関して、強いモチベーションをもう一度取り戻すまで、あえて招集しなかった。

 若手では、多くの選手が試されているものの、そのチャンスを活かし、常に練習、試合、クラブで見せ続けなければ、「列は進む」として、次はない。

 ブラジルの2大スター、ロナウジーニョやカカについても、「あのロナウジーニョ」「あのカカー」を取り戻すまでは、プランには入れないと、明言している。

 だから、マノ・セレソン初めての公式大会となるコパ・アメリカは、みんなが優勝に貢献したい、セレソンの一員であり得るクォリティーを発揮したいと、心から望んでいる。

 ロビーニョが「優勝が目的」と言えば、ジュリオ・セーザルは「いや、優勝しなくちゃいけない」と、覚悟を語る。「セレソンでいられることは、いつでも幸せ」。そんなジュリオたちのモチベーションは、中堅や若手にも、良い形で伝染することだろう。

[写真]コパ・アメリカの開催されるアルゼンチンでキャンプを開始したブラジル代表

※本コラムは不定期更新です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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