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ブラジルサッカー通信 by 藤原清美

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ブラジル、新・背番号10にガンソ
by 藤原清美

 ブラジル代表がコパ・アメリカ開幕に向けて、登録23選手の背番号を発表。セレソンの新たな背番号10は、21歳のパウロ・エンリケ・ガンソが担うことになった。

 ガンソは欧州のビッグクラブ、特にミランが獲得に興味を示す逸材で、代表でもマノ・メネゼス監督の就任初戦となった親善試合のアメリカ戦ですでに10番を背負い、期待に違わないプレーを見せた。

 カカやロナウジーニョら、これまでの背番号10が、まだケガや不調から完全復活していない中で、マノは「彼らが復調してくれることを期待している。ただ、監督としては、ただ待っているわけにはいかない。さまざまな特徴を持った代替案をつくらなければいけない」と以前から語っていた。

 そんなマノにとって、もっとも理想的なフォーメーションは、3トップ+1人の司令塔。その司令塔の特徴を持つ選手が、ガンソだ。セレソン初招集の後、2度の大ケガにより、長いブランクがあったものの、マノがコパ・アメリカに向けて、ギリギリまで待つことを決め、復帰を果たしたばかりだ。

 報道陣からのガンソへの質問も、背番号10に関することばかり。「あなたが一番好きな背番号10の選手は?」と聞かれると、「世界にはたくさんの背番号10がいる。でも、僕が一番尊敬するのは、ジーコとペレだ。ジダン、カカ、メッシも、その素晴らしさは言葉では言い尽くせない。でも、僕が好きなのは、ジーコとペレだ」

 自分のプレースタイルが一番似ていると思う背番号10を聞かれると「リバウド。プレースタイルが、とてもクラシックな背番号10だと思うんだ。僕のプレーも、レベルは及ばないにしても、スタイルはリバウド的だと思う」と、分析してみせる。

 しかし、ガンソが目指すのは、自分が背番号10として目立つことより、「今回のタイトルを獲れたら、本当に素晴らしいこと。そのために、背番号10に恥じないプレーで貢献したい」ということ。そんな彼を、チームメイトたちも信頼している。

 サントス時代にチームメイトだったロビーニョは「ガンソは、今のセレソンに欠けていた、背番号10らしい特徴の選手。プレッシャーは大きいと思うけど、それに耐えられる強いパーソナリティを持っている」とエール。CBのチアゴ・シウバも「若くても、見た目よりずっと経験豊富」と、笑いながら語ってくれた。

 3日の初戦・ベネズエラ戦では、パト、ロビーニョ、ネイマールの3トップと、司令塔ガンソがスタメン出場する予定となっている。その新マジックカルテットに、ブラジル国民の期待が集まっている。

[写真]練習の合間におしゃべりするガンソ、ネイマール、エラーノのサントストリオ

※本コラムは不定期更新です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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