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ブラジルサッカー通信 by 藤原清美

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ブラジル、新生マジックカルテット不発に終わる
by 藤原清美

7月3日
コパ・アメリカB組
ブラジル0-0ベネズエラ
ラプラタ、エスタディオ・シウダッド・デ・ラプラタ

<出場メンバー>
GK:ジュリオ・セーザル
DF:ダニエウ・アウベスルシオチアゴ・シウバアンドレ・サントス
MF:ルーカス・レイバラミレス(エラーノ)、ガンソ
FW:ロビーニョ(フレッジ)、ネイマールアレシャンドレ・パト(ルーカス)

 ブラジル代表がコパ・アメリカ初戦ベネズエラ戦を無得点の引き分けで終え、ブラジル国内で「新生マジックカルテット」と呼ばれ、期待された攻撃陣は不発に終わった。

 ブラジルはこの試合、マノ・メネゼス監督悲願のスタメンで挑んだ。CFにパト、両サイドにネイマールとロビーニョを起用した3トップ。その後ろに司令塔のガンソを置く。マノの代表監督デビュー戦となった8月の親善試合・アメリカ戦と同じ選手、同じフォーメーションだ。

 アメリカ戦では、これで終始相手を圧倒し、2-0。2006年W杯で「マジックカルテット」と呼ばれて期待された、ロナウド、アドリアーノ、ロナウジーニョ、カカーの4人を引き合いに出し、国内では「新生マジックカルテット」と呼ばれた。しかし、9月以降、ガンソが2度に渡る大ケガでピッチを離れたため、このベネズエラ戦は、11ヵ月ぶりの攻撃的サッカー再現となることが期待された。

 前半は、この4人に左SBのアンドレ・サントスも加え、ブラジルがテクニックと闘志あふれるプレーで優位に立った。チャンスも多く生み出した。パトのシュートがポストを叩いたり、ヘディングシュートをGKが防いだのをはじめ、ロビーニョも再三ゴール前に詰め寄った。しかし、決め切れずに、前半を終了。後半は、焦りからパスミスが増え、ボールを奪われては、ベネズエラのカウンターに慌てるシーンが増えた。

 結局、試合は無得点引き分け。試合後のインタビューでは、ベネズエラにとっては絶好のスタートとなり、選手たちが口ぐちに自信をつけたことを語ったのに対し、ブラジルはまるで敗戦したかのように批判的な自国報道陣の厳しい質問に耐えることとなった。

 ロビーニョが「相手が引いて守る試合では、最初の数分でゴールを決められなかったら、難しくなる。時間ばかりが過ぎて、焦りからミスが増え、逆にカウンターで苦しむことになった」と振り返れば、再三相手を脅かしたパトも「あれだけのチャンスをつくったのに、フィニッシュが決まらなかった。次のパラグアイ戦までにフィニッシュの練習をしなくては」と、無得点を嘆いた。GKジュリオ・セーザルは「前半に1点でも決めていたら、試合は違ったものになっただろう。でも、初戦だから神経質になるのも、サッカーでは起こること」と、攻撃陣をかばった。

 マノ監督は「試合の間中、攻撃がサイドに開いてしまい、中央から崩したり、空中戦に持ち込むなどのバリエーションがつくれなかった。攻撃陣だけの問題ではないが、勝てなかったときは、何かが機能しなかった、ということ。攻撃面での修正を行なうことも含めて、この後、トレーニングする」と、悲願だった攻撃陣の構成を変更することも示唆した。

 あれから5日間。セレソンは休日でリフレッシュもしたし、非公開練習でブラジル報道陣をやきもきさせたりもした。試合直後の重い雰囲気から、ネイマールの「プレッシャーには慣れているから大丈夫。2試合目では必ずゴールが生まれるよ!」という、元気な言葉も飛び出した。まもなく第2戦パラグアイ戦だ!

[写真]練習中、真剣な表情で話し合うネイマール、ダニエウ・アウベス、ガンソ、ロビーニョ

※本コラムは不定期更新です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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