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ブラジルサッカー通信 by 藤原清美

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ブラジル、2人の最年少のゴールでアルゼンチンを下す
by 藤原清美

 今年から始まったブラジルとアルゼンチンの交流戦「スーペルクラシコ」。9月28日に行なわれた第2戦は、ブラジルホーム。北部アマゾン河口の街ベレンで開催された。

 ベレンでセレソンが試合をするのは、2005年11月の南米予選以来、約6年ぶり。しかも、この街を本拠地とするクラブは、全国選手権2部以下なので、街の人々は、スター選手を見る機会が少ない。そのため、セレソンが滞在した3日間、街は沸きに沸いた。

 空港に約650人の市民が詰めかけたのをはじめ、セレソンが宿泊するホテルの前では、常時250人以上のファンが、歓声をあげ続けた。公開練習では、ブラジルのチャリティーマッチに多い手法を採用。食糧1kg分を持参すれば、それが入場料代わりになる。2万5000人が持ち寄った食糧は、地元の恵まれない子供達のための施設に寄付された。

 そんなセレソンフィーバーの中でも、最も熱い声援を集めたのは、19歳のネイマールだ。今や、ロナウジーニョと人気を二分する……というよりも、少女ファンの多さでは、セレソンナンバーワン。ホテル前に集まった膨大な数のネイマールファンたちは、彼を見たいと、必死に泣き叫んでいた。頭角を現した頃のカカ現象のようだ。

 試合の方は、FWにネイマールと、初招集となった元仙台のボルジェスを、攻撃的MFにロナウジーニョと、19歳になったばかりのルーカス(サンパウロ)を置き、試合序盤からアルゼンチンを攻めたてた。

 スタジアムを満場にした4万5000人のベレンの人々には、リオやサンパウロのサポーターのような「ゴールを待ち疲れたら、即、ブーイング」という、短気なところがない。待ち疲れたら、なおさら熱い声援で選手たちを盛り上げる。

 そして、後半8分、ルーカスが自身フル代表初ゴールとなる先制点を決めた。さらに、後半29分には、ネイマールが追加点。19歳コンビのこの2点で、ブラジルは2-0と勝利。1回戦の引き分けと合わせて、第1回「スーペルクラシコ」優勝は、ブラジルのものとなった。

 ルーカスは「今日の声援は、生まれて初めて経験する素晴らしさだった。あらためてセレソンであることの幸せを感じられた。そのお返しができて、本当にうれしい」と感激の面持ち。同じく最年少ながら、ネイマールは「1ヵ月前に生まれたばかりの息子に、このゴールをプレゼントしたい。」と、父親の一面を見せた。

 また、この試合でキャプテンを務めたロナウジーニョは「2人とも素晴らしい。彼らのようなブラジルの将来を担う選手達をサポートするために、僕はここに呼ばれているんだ」と、最年少コンビを称えた。

[写真]ネイマール、警備に付き添われてベレンのホテル入り

※本コラムは不定期更新です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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