beacon

ブラジルサッカー通信 by 藤原清美

このエントリーをはてなブックマークに追加

ロナウジーニョ、ピッチの外で時の人に
by 藤原清美

 12月以降、ロナウジーニョの周囲が騒がしい。ロナウジーニョは昨年1月、ブラジル屈指のビッグクラブ、フラメンゴに移籍した。そして、リオ州選手権優勝の原動力となり、ブラジル全国選手権の首位争いにも大きく貢献した。

 そのロナウジーニョの給料は、契約当初から、クラブとブラジルの大手スポーツ代理店が、分担して支払うことになっていた。ところが、クラブからの支払いは正確に行なわれていたものの、代理店からの支払いが、すでに5か月滞っており、報道によると、金額は375万レアル(約1億8750万円)に上っている。

 もともと、2014年ワールドカップまでブラジル代表で続けるために、というロナウジーニョ自身の強い希望で、ブラジル国内のクラブへの移籍を果たした。その経緯もあり、彼の代理人で、実兄でもあるアシスは、辛抱強く解決を待っている。クラブ会長はついに「ロナウジーニョはフラメンゴの選手。もし、代理店が解決できなければ、それも良し。フラメンゴが選手の給料全額を引き受けるまで」と、宣言するに至った。

 とはいえ、給料は支払われないまま、すでにシーズンに突入した。そして、湧きあがった次の話題が「監督との不仲説」だ。フラメンゴの指揮を執っていたのは、ブラジル代表監督経験もあるヴァンデルレイ・ルッシェンブルゴ。2010年10月の就任以来、順調だったものの、今年のプレシーズン合宿が始まってから、選手たちとの不協和音の噂が流れ始めた。特に、ロナウジーニョ。合宿中の宿泊ホテルから、監督がクラブ会長に「ロナウジーニョがホテルに女性を連れ込んだ」と報告。クラブ首脳陣が合宿先のパラナ州のホテルに飛び、監視カメラのビデオで確認したところ、その証拠は見当たらなかった……という騒動があり、不仲説は決定的となった。

 そのロナウジーニョが、シーズン開幕早々、リベルタドーレス杯予備選レアルポトシ戦で1ゴール1アシストの活躍、本大会進出の立役者となった。その結果をもって、監督が解任された。

 そんな中、並行して話題になっているのが、ロナウジーニョの姿勢だ。給料未払いにあっても、彼は一貫して、そのことについては一度も発言せず、サッカーに集中してきた。サンバのライブハウスで飛び入り出演するなど、夜の生活も大いに満喫しているが、練習への遅刻や手抜きは一切ない。それどころか、年末の休暇を終えた1月4日のプレシーズン初日には、体重80kg、体脂肪9%と、昨シーズン終盤以上に絞れたフィジカルコンディションでチームに合流した。そして、ピッチの中での結果も出している。

 不仲説の真偽はともかく、すべての問題が解決し、彼がまた何も心配せずに活躍できるよう、サポーターは応援している。

[写真]ロナウジーニョ、サンバを演奏中

※本コラムは不定期更新です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

▼関連リンク
ブラジル・リーグスター名鑑
ブラジル人スター名鑑

TOP