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ブラジルサッカー通信 by 藤原清美

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ベベットの息子がプロデビュー
by 藤原清美

 94年のW杯優勝メンバーで、日本の鹿島アントラーズでもプレーしたベベット。彼の息子マテウス(17)が、所属するフラメンゴでプロデビューを果たした。

 マテウスは、94年アメリカ大会の真っ最中に誕生。父ベベットがゴールを決めたあとのパフォーマンスで、チームメイトのロマーリオ、マジーニョとともに、ゆりかごポーズをしたことで有名になった。

 あれから、ゆりかごポーズは子供ができたサッカー選手のパフォーマンスとして、今も定着している。一方、マテウスも父の古巣・フラメンゴの下部組織に入団し、年代別代表の各カテゴリーにも選ばれるなど、順調にサッカー選手への道を歩んできた。

 公式戦でのプロデビューとなったのは、リオデジャネイロ州選手権オラリーア戦。17歳の攻撃的MFマテウスは、リベルタドーレス杯との兼ね合いで、主力の大半が温存され、控え主体で臨んだ試合の後半32分に投入された。残り時間も少ない中、マテウスの蹴った間接FKを、ゴール前の選手が合わせ切れないという惜しい場面をつくるなど、まずまずの評価を得た。

 マテウスは試合後「父はいつも、彼の経験を語って聞かせてくれる。僕も経験を積みたい。今日は自分のプレーをすれば良いと励まされてピッチに入り、ベストを尽くせたと思う」と笑顔。現在、リオデジャネイロ州議会議員を務めるベベットも「彼はインテリジェンスのあるプレーができる選手。今日はその特徴の片りんを見せていた。これからも地に足をつけていけば、大物になれる」と、息子を称えた。

 名選手の息子が、必ずしも名選手になれるわけではないが、94年組からは、現時点で3人が父の歩んだ道に続いている。マジーニョの長男チアゴ・アルカンタラ(20)がバルセロナの下部組織で育ち、今やプロとして活躍。スペイン代表にも選ばれているのは有名だ。次男のラファエル・アルカンタラ(19)も、兄と同じ経歴を歩んでいる。

 マジーニョは「“マジーニョの息子”というプレッシャーを感じさせないよう、2人の選手名には僕のでなく、妻の名字を使うようにしたんだ。でも、今では僕の方が『チアゴのお父さん』と呼ばれるようになっちゃったよ」と、息子の成長を祝う。

 現在、連邦議会議員を務めるロマーリオの息子ホマリーニョ(18)も、父と同じFWとして、バスコの下部組織で育ち、今年は若手の登竜門であるコパ・サンパウロという全国大会に出場した。

 サラブレッドであることは、良い環境を得たり、チャンスをつかむのには、アドバンテージがあるかもしれない。しかし、チャンスを活かせるかは選手次第。順調に成長を続ける彼らが父を越える名選手になることを応援したい。

[写真]ベベットの息子マテウス

※本コラムは不定期更新です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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