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ブラジルサッカー通信 by 藤原清美

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ブラジル、若手への交代でボスニアに辛勝
by 藤原清美

2月28日、親善試合
ブラジル2-1ボスニア
inザンクト・ガレン(スイス)

GK:ジュリオ・セーザル
DF:ダニエウ・アウベス、チアゴ・シウバ、ダヴィ・ルイス、マルセロ
MF:サンドロ(エリアス)、フェルナンジーニョ、エルナネス(フッキ)
FW:ロナウジーニョ(ガンソ)、ネイマール(ジョナス)、レアンドロ・ダミアン(ルーカス)

 ブラジル代表はW杯南アフリカ大会に敗退した後、自国開催となる2014年大会に向けて、大幅な世代交代に取り組んできた。昨年7月のコパ・アメリカのように、若さによる経験不足が響き、結果を出せなかった時も、マノ・メネーゼス監督は「目標は2014年」という方針を変えずに、若手を招集し続けた。それが、ザンクト・ガレン(スイス)で行われた親善試合ボスニア・ヘルツェゴビナ戦では、ベテラン勢のミスが目立ち、若手を投入することで、辛勝に結びつくという、これまでの結果とは反対の流れとなった。

 ボスニア移民の多いザンクト・ガレンのAFGアレーナでは、収容2万人弱のスタンドは、ほぼボスニアサポーターで埋まった。完全なアウェームードの中、先制点を決めたのはブラジル。開始早々の前半3分、マルセロが左サイドの角度のないところから決めた。

 しかし、その後は強固なボスニアの守備に対して攻めあぐね、ボールを奪われてはピンチを招くという展開が続いた。特に目を引いたのが、ロナウジーニョのトラップミスやパスミス。これまで経験と技術で若手をサポートしてきた彼が、この試合では、左サイドでのFWネイマールとSBマルセロとの連係に、たびたびストップをかける場面が目立った。

 流れを変えたのは、同点に返されて迎えた後半、マノが行なった交代だ。16分に、ロナウジーニョに代えて22歳のガンソを投入すると、ガンソは所属するサントスでのコンビネーションを活かし、パスでネイマールを動かすことでチャンスを増やした。

 また、スピーディーな動きが得意な19歳のルーカスが投入されると、プレーの展開が早まり、ブラジルが圧倒的に攻め込むようになった。

 最終的に、試合終了間際、怒濤の攻めの中で、強烈なシュートを放った途中出場のフッキのボールが、相手のオウンゴールを誘い、今年最初の親善試合に勝利を収めた。しかし、ロナウジーニョは試合後、報道陣の批判の矢面に立った。

 マノは「ロナウジーニョは最終プロジェクト。2014年までベストコンディションで行ける」と宣言するほど、ロナウジーニョを信頼し、この日は「今日のロナウジーニョは、いつもの彼ではなかった。しかし、1試合で物事を見てはいない。今後は、いつもの正確なパスが戻ってくるはず」とかばったが、国内ではセレソンでのロナウジーニョの必要・不要の議論が続いている。

 2014年W杯ブラジル大会を目指して、フラメンゴに移籍したロナウジーニョは、クラブを盛り上げ、昨年9月から、見事セレソンにも復帰した。彼自身はロンドン五輪のオーバーエイジ枠にも意欲満々なのに、1試合でも輝きを放てずに終わると、ブラジルメディアは厳しい。

[写真]ロナウジーニョ、ザンクト・ガレン入りで報道陣に囲まれる

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