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ブラジルサッカー通信 by 藤原清美

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4月26日は「GKの日」
by 藤原清美

 今日は朝から、スポーツ番組や情報サイトで、GK特集が組まれたり、歴代セレソンのGKがゲストに呼ばれたりしている。ブラジルサッカー連盟の公式HPも、GK関連の記事が目白押し。というのも、今日4月26日は、ブラジルでは「GKの日」だからだ。

「GKの日」の歴史は古い。発案者は軍隊の体育学校の2人の教師で、そのうちの一人は、ブラジル代表史上初めてGKコーチとしてスタッフ入りし、W杯1974年大会を戦ったカルレッソ中尉だ。中尉と、ビエリンスキー大尉は、ブラジルにおけるGKへの認識と、育成のメソッドが確立されたことを祝い、その翌75年、「GKの日」を設定して、GKを称えることを決めた。そして、4月26日が公式にその日となったのだ。

「芸術サッカー」「ビューティフル・ゲーム」というのが、ブラジルサッカーを表す定番の言葉で、攻撃こそサッカーの国にあって、GKは「アンチ・ヒーロー」だという言い方がある。サポーターみんなが一番見たがっているゴールを阻む役割だからだ。

 それでも、GKとして成功した選手たちは、たいてい少年時代から自らGKを志したんだと言う。W杯2010年大会の正GKジュリオ・セーザルは以前「一人だけ違うユニフォームを着て、ゴールを背負って、違った役割を担うことに憧れた」と言っていたし、90年、94年、98年と3大会の正GKタファレルも「幼い頃から、誕生日やクリスマスにねだったプレゼントはGKのユニフォームやグローブなど、GKのことばかりだった」と語ってくれたことがある。

 今年1月に現役引退したばかりの2002年大会の守護神マルコスはこの日「GKというのは、強い相手と対戦するために、集中と献身、研究が要求される職業。いつでも責められ、プレッシャーをかけられ、非常に苦しんだし、何度も泣いたけど、今は感謝するばかりだ」と、“聖マルコス”の異名をとったGK人生を振り返った。

 さて、2014年大会のセレソンの正GKは、だれになるだろう。現時点、所属するインテルの不振の影響で不安視する声はあるものの、依然としてジュリオ・セーザルが最有力だ。昨年、ジュリオのいない試合で初スタメンを務めたジェフェソンは「セレソンの中でのジュリオを見ているけど、実際、あの存在感は絶対的な正GKだよ。彼がセレソンに、そして技術委員会やGKコーチに与える信頼感はすごい」と語っていた。そのジェフェソンも、ボタフォゴで絶好調。評価は上がる一方だ。バレンシアのジエゴ・アウべスもそう。ロンドン五輪では、サントスのハファエル(21)が頑張ってくれるはずだ。

 そんな話題でいっぱいだった4月26日。世界中のGKにおめでとうを言いたい。

[写真]2010年W杯直前合宿中のGK陣

※本コラムは不定期更新です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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