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スペインで戦うフットサル選手・荒牧太郎の挑戦 by 荒牧太郎

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シーズン終盤に選手が感じるストレス
by 荒牧太郎

 前回のコラムで、リーグ終盤には様々なストレスが溜まっていると書きました。では、そのストレスとは一体どんなものなのかについて書こうと思います。

 そもそも僕はあまりストレスを感じるタイプではないと自分では思います。でも実際ストレスは無意識のうちに溜まるもので、気付いた時には大爆発! なんてこともありますよね? それでも僕はストレスから身体に影響が出たり、メンタル的に追い込まれたりということはあまりないです。夜もビックリするくらい気持ち良く寝られていますし。

 しかし、リーグも終盤になれば、やはり自分でもストレスが溜まっているなと感じることはあります。それは何か大きな出来事が原因になっているというよりも、小さなことの積み重ねで、いよいよそれがリミットに達しそうだという感じでしょうか。何か特別にイヤだと感じることはほとんどありませんが、小さな我慢は日頃からたくさんしているということです。

 まずはピッチの中での話。それは結果です。個人としてもチームとしても終盤になればどこに落ち着きそうだということが分かってきます。リーグ中盤頃までは優勝であったりプレーオフであったり、そういう目標に向けて無我夢中で突き進めますが、終盤になると勝ち点を計算すれば、最高でも何位くらいだと分かってきます。

 さらにそれにプレッシャーの影響もあります。プレッシャーは外から受けるというイメージがあると思いますが、僕はそうは思っていなくて、むしろ自分自身が自分自身にプレッシャーを掛けていると思います。それは自分自身に対する期待です。こうありたい、こういうプレーをしたい。それを実現する為に日々練習するわけですが、じゃあそれが実際に出来るのかどうか。目標を明確に持っていればいるほど、自分自身に対してプレッシャーを掛けている状態だと思っていて、それがシーズン終盤にかけて、結果と照らし合わされて、ストレスとなるわけです。大抵の場合は目標が達成されないか、達成に近くても大満足! ということにはなりません。

 自分自身への期待と、そこから来るプレッシャー、そして嫌でも表れる結果とを照らし合わせて、そのギャップが日々の小さなストレスとして積み重なっていると僕は思っています。

 他にも思い当たるふしはいろいろとあります。言葉、食事、文化、長距離移動、家族や友人から離れた生活…。ただこれは最初に挙げたストレスに比べると、そこまで大きな影響があるとは思っていません。今は本当に便利な時代で日本とスペインでも簡単にコミュニケーションが取れますし、僕の性格上、あんまり細かいことは気にならないですし、『気にしても仕方がないや』って、諦めてもいます。それに本当に単純なもので、寝て起きたらやたらすっきりしていたり、日本にいる友達と少し話をしただけで元気一杯になったり…。

 逆に言うと、ピッチの中でのストレスは競技生活の中では必ず付きまとうものだと思います。こういうストレスは絶対になくならないものなので、無視したり、抑え込んだりするのではなくて、前にも書いたオフをいかに過ごすか、どう付き合うのか、というのが大事だと思っています。

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