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そして7月、夏の全日本高等学校女子サッカー選手権の神奈川県予選を迎えた。
湘南平は順調に勝ち上がり、またしても決勝戦で鶴見女学館とぶつかることになった。
「今の私たちなら、絶対に鶴見女学館にだって勝てる」
決勝の前日、楓はメンバーを鼓舞した。
「私たちは、どこにも負けない練習をしてきたんだから。多村先生と日本一の練習をしてきたんだから」
麻美や亜里沙、綾乃、智恵たちは、素人同然だったころの自分たちのプレーを振り返りながら、楓の手を握った。言葉にはしないが、彼女たちは楓に感謝していた。楓に憧れてサッカーを始め、楓の背中を必死で追いかけた結果、こんなに強いチームの一員として決勝の舞台に立てるのだ。
足のケガが治ったらJFAアカデミーに戻ると公言し、入部前にさまざまな形で楓らと衝突した零も、楓の檄にうなずいた。
《このメンバーと一緒なら……》
零は信じていた。
《必ず、全国の頂点に立てる》
決戦を前に士気が高まるなか、1人だけ元気のないメンバーがいた。
前回の鶴見女学館戦で、痛恨のパスミスをしたサキだった。
※本連載は毎週月・水・金に配信予定です。
女子W杯でMVP&得点王に輝いたなでしこジャパンの澤穂希選手をモデルに、国民的サッカー漫画『キャプテン翼』の作者である高橋陽一氏が書き下ろした青春サッカー小説『サッカー少女 楓』。各メディアに引っ張りだこの話題作を全文まとめて読みたい方はコチラ(amazon.jp)からお買い求め下さい。
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