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女子のミーティングが終わると、サキは功太のもとを訪ねた。
「功太先輩、相談があるんですけど」
声をかけられた功太は、動揺を必死で隠した。去年の夏合宿でサキの気持ちを知って以来、逆にサキのことを妙な形で意識していたからだ。
「な、な、なんだ?」
「明日、鶴見女学館と決勝なんです」
「ああ、俺も応援に行くつもりだからがんばれよ」
「はい、でも、不安があるっていうか」
「不安なのは、みんな同じだよ。俺だって、試合前はいつも不安だし、楓や永里だって対戦相手の選手だって」
「それはわかってるんですけど、トラウマっていうか、他のチームとやるときは大丈夫なんですよ。でも、鶴見が相手だとどうしても、この前のことを思い出しちゃうんです。あの試合、私のパスミスが原因で負けたんです。楓さんや零さんを助けたい、チームの力になりたいって気持ちが強くなりすぎて、逆に固くなってしまうんです」
「だったらさ、こう考えるのはどうかな」
落ち着きを取り戻した功太は、自分の体験を話した。
※本連載は毎週月・水・金に配信予定です。
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