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「よっしゃあ!!」
スタンドの功太や見城たちは、楓たちの勝利を確信した。
この日の楓は、まるでピッチの上で自由にタクトを振る指揮者のようにゲームをコントロールしていたからだ。
彼女がスペースにボールを放り込むと、そこにマークを振り切った湘南平の選手が走り込んでいく。楓のヒールパスに反応した綾乃が意表をつくミドルシュートを打つと、鶴見女学館のゴールキーパーは一歩も動けなかった。
これで4対1。
さらに、ペナルティエリア内でドリブルでしかけた智恵が倒され、ペナルティキックを得る。これを楓が確実に決め、5対1とリードを広げて前半を終えた。
後半も湘南平の勢いは衰えない。
後半10分、コーナーキックのチャンスを得ると、サキが短く浮かしたパスに楓が飛び込んだ。ディフェンダーより半歩前に出た楓は、右足のヒールをあわせてゴールの隅に流し込んだ。これでこの日の3点目、ハットトリックだ。
そのあとも、こぼれ球に反応した虎南のゴールで7点目。結局、湘南平は7対1という大差で鶴見女学館を下し、初の全国大会への切符を手にした。
※本連載は毎週月・水・金に配信予定です。
女子W杯でMVP&得点王に輝いたなでしこジャパンの澤穂希選手をモデルに、国民的サッカー漫画『キャプテン翼』の作者である高橋陽一氏が書き下ろした青春サッカー小説『サッカー少女 楓』。各メディアに引っ張りだこの話題作を全文まとめて読みたい方はコチラ(amazon.jp)からお買い求め下さい。
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