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ヤング魂 by 長谷川望

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[第25回]DF平和大(リベルタ・ヴェルディSC)「アスレチックトレーナーに学ぶ身体の使い方」
by 長谷川望

 アスレチックトレーナーの重要性を改めて考えさせられた今回の取材。近年、アスレチックトレーナーという言葉が日本でも普及し、今では人気の職種だ。

 怪我の応急処置や障がい予防、栄養面の管理など、さまざまな角度から選手のコンディションを整えているアスレチックトレーナー。特にスポーツ先進国のアメリカではプロチームから学校まで多くのスポーツ現場で活躍しているという。

 東京都世田谷区で練習を行っているリベルタ・ヴェルディサッカースクールの練習には、アスレチックトレーナーが参加していた。今回は小学生のうちに必要なコンディショニングと合わせて、スクールに通う小学生に突撃インタビュー!

アスレチックトレーナーってどんな仕事!?
 現在リベルタ・ヴェルディSCで活動している宮本大輔氏は、日本サッカー協会でU-16代表をはじめ、フットサル日本代表、バレーボールのVリーグのチームなどスポーツの第一線で活動していたアスレチックトレーナーだ。

 なかでもU-16代表での活動について話を聞いた。「海外遠征が多いので、例えば時差に対する対応や現地の食事の管理を行います。あとは国内と違ってメンバーの入れ替わりが出来ないので、怪我した時の処置やテーピング、リハビリなどをしていきます。心配な点としては練習のし過ぎがあり、怪我を持って合流する場合が多い事です。良かれと思ってやっている事がすごく身体に負担をかけている事があります」。

成長期に気を付けることは!?
「一番多い怪我は足首。致命的になるのが膝。成長期に膝が痛い、オスグットなどがありますが、ヨーロッパだとそもそもそうなってはいけないという考え方です。ある一点に負荷がかかっている証拠で、育成年代は全身に対して均等に負荷がかかる運動が重要です。例えばサッカーはボールを蹴る動作をやりがちで、将来サッカーだけが得意になってしまう可能性があります。神経系が発達する小学生年代は練習にキャッチボールを入れたり、大きいボールも小さいボールも、前後左右に投げて、股の下にも通すなどさまざまなボールコーディネーションが必要です。サッカーを上手くさせるというよりも、身体を上手く使える子をたくさん育てる事を優先し、結果その子がサッカーを選んでくれれば一番良いのかなと思います」。

 育成年代のスポーツの現場には、身体に対する正しい知識をいろいろな側面から分析できるアスレチックトレーナーの存在が特に必要なのではないだろうか。

PICK UP選手
 平和大くん(10)。ポジションはディフェンダー。「東京ヴェルディが好きなので、ロゴが付いているユニフォームを着られて嬉しい」と話してくれた平くんの得意なプレーはボール奪取だ。

 いま力を入れているトレーニングは、「相手がドリブルしているボールを奪うこと」。インタビューでは少しシャイな一面が見えたが、サッカーの練習になると元気いっぱいな姿を見ることが出来た。小学4年生からアスレチックトレーナーに学んでいる彼のこれからの成長が楽しみだ!

気になる質問‼
――好きな選手を教えてください。
本田圭佑選手(ミラン)です。本田選手の無回転シュートが好きです」

――休みの日は何をするのが好きですか?
「ゲームをしたり、本を読んだり、図鑑を見たりします。恐竜の図鑑がお気に入りで、一番好きなのはティラノサウルスです」

――将来の夢を教えてください。
「サッカー選手になれるようにがんばります!!」


◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。ロンドン五輪で女子レスリング金メダリスト伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、TBS元旦スポーツ祭り『2013年にかけるアスリートたち』、WOWOW『金曜カーソル』などテレビ番組でも活躍中。
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