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公式戦8試合ぶり完封の柏、MF大谷「ゼロで終わるイメージを共有していた」

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[4.9 ACL第4節 柏0-0水原三星 柏]

 5連戦の4戦目。3日前の名古屋戦(3-3)では、前半のうちに退場者を出し、雨の中で10人での戦いを強いられた。この日、柏レイソルの選手からは、明らかに疲労の色が見てとれた。勝てば自力で決勝トーナメント進出を決められた状況で、0-0のドロー。他会場で貴州人和(中国)が勝利したため、16強入りは次節以降に持ち越された。

 連戦の疲労に加え、DF近藤直也、MFレアンドロ・ドミンゲスを欠いた柏は、攻守の大黒柱抜きで水原三星戦に臨むこととなった。6-2で大勝した敵地での前節とはうってかわり、戦前は苦戦が予想された。終わってみれば、レアンドロを欠いた攻撃陣は公式戦6試合ぶりの無得点と沈黙したが、近藤を欠いた守備陣は公式戦8試合ぶりの無失点と奮闘。ACL第1節、貴州人和戦(1-0)以来、今季2度目の完封となった。

 近藤の代役として出場したDF渡部博文は、DF鈴木大輔と急造CBコンビを組むことになったが、身を挺した守りでKリーグで首位を行く水原三星を完封。渡部は、アジアを代表するストライカーであるFW鄭大世から「いい選手」と賞賛されるほどのインパクトを残した。

「失点が多かったので、後ろの選手はゼロで終わるイメージを共有していた。点がとれればベストだったけど、勝ち点3のために、バランスを崩して攻めるのは避けていた」。主将でボランチのMF大谷秀和は試合を振り返った。

「ACLとリーグがあって、守備の安定はいまのチームにとって大事」と守備への手応えを語る一方、「力のあるチーム相手だと、質の高いボールを入れたり、シュートを打っていかないと難しい。今日もクロスを上げられるタイミングで、ボールを下げてしまっていた」と攻撃への課題も挙げていた。

 しかし、「連戦のときは時間もないので、反省よりも次の相手のこと」と大谷が言うように、中3日でアウェーでの甲府戦が待っている。連戦は競合チームの宿命でもある。J1とACLの2冠達成に向けて、柏の試練は始まったばかりだ。

(取材・文 奥山典幸)
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