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まさに“キラーパス”、先制アシストの憲剛「集中して蹴った」

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[4.22 ACLグループリーグ第6節 川崎F3-1蔚山現代 等々力]

 まさに“キラーパス”だった。前半32分、川崎フロンターレは相手陣内でパスカットしたMF大島僚太がマイナスに戻し、MF中村憲剛が右足ダイレクトでゴール前へ低くて速いスルーパスを通した。フリーでボールを受けたFW小林悠は左サイドから中に持ち込み、右足で先制点。鮮やかなショートカウンターが炸裂した。

「狙いどおりですね。(小林)悠が見えたので。通せば1点のポジションに悠がいた。とにかくいいボールを出そうと。集中して蹴った」。自画自賛の完璧なアシストだった。

 09年大会以来、3度目のグループリーグ突破を果たした川崎Fだが、中村は気を引き締める。この日も2-0とリードを広げた直後に1失点。「あそこがチームとしての青さ。点を取ったあとは締めないといけないし、あそこをしのぎ切れば、相手もガクッと来たはず。あの1点で相手に勇気を与えてしまった」と苦言を呈す。

 前半はほぼ川崎Fのペースで進んだ45分間だっただけに、2-1という前半のスコアにも納得できなかった。「2点以上取れる形をつくっていた。そこで取れていれば、前半で試合は終わっていた。結果的に1点差で折り返す甘さを改善しないといけない」。同時に、蔚山現代(韓国)が長身のFWキム・シンウクを生かしたパワープレーに出てきた後半をゼロで抑えたことには手応えもあった。

「後半、あれだけ中盤を素っ飛ばされれば苦しくなる。でも、ゼロで抑えて、セットプレーで3点目を取って勝ち切ることができた。大会前は経験不足も指摘されていたけど、それぞれの選手が(ACL)6試合を経験して、それぞれがしたたかになった。そこは成長したところ」。課題と収穫。その両方を手にし、次は決勝トーナメントの戦いだ。

(取材・文 西山紘平)

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