beacon

3度目挑戦で果たした横浜FMのACL初ベスト8、喜田拓也「何度も悔しい思いをさせられてきた」

このエントリーをはてなブックマークに追加

横浜FMがACL初の8強へ

[2.21 ACL決勝トーナメント1回戦第2戦 横浜FM 1-0(延長) バンコク・U 横浜国際]

 2020シーズン、22シーズンとベスト16で敗退していた。だが120分間を戦い抜き、ピッチの上で横浜F・マリノスのACL初8強の瞬間を見届けた。MF喜田拓也は「何度も悔しい思いをさせられてきた。もうどんな手を使ってでもこの壁を越えたいと思っていた。まずはひとつ目の壁、満足することはない。ひとつ切り拓いたということはクラブとして意味はある」と喜びを噛み締めた。

 序盤から攻勢を強め、90分間でも30本以上のシュートを放った。しかしバンコク・ユナイテッドの堅守を破ることができず、0-0のまま延長戦に突入する。延長戦でも決定機を連発。ゴールをこじ開けられないなかでも、喜田は「焦りはなかった」と振り返る。延長後半終了間際にPKを獲得し、FWアンデルソン・ロペスのゴールで8強の扉をこじ開けた。

「やはり簡単ではないと、こういうゲームもあり得ると踏んではいた」。横浜FMは2020シーズン、22シーズンとベスト16で敗退。喜田は2試合ともに先発しており、試合の難しさを体感していた。「たとえ120分からPK戦があったとしても、最後に勝つことが何よりも大事。タフな戦いでしたけど、そこをしっかり取れたことはチームの成長」と手応えを語る。一方で、攻め続けた結果の内容としては「焦りはなかったけど、もっとクオリティは上げたい」と力を込めた。

 今週末のJリーグ開幕から2試合を経て、3月5日には準々決勝第1戦を迎える。対するはグループリーグで横浜FMと首位を争い、20日の試合で川崎Fを撃破した山東泰山(中国)だ。「相手がどこであっても相当タフな戦いになるのは間違いない」。グループリーグでは2連勝しているが、キャプテンの眼には油断はない。

「環境も、雰囲気も、ピッチもそう。すべての条件においてタフに乗り越えないとつかめないステージに差し掛かっている。ただ、本当に恐れず戦いたい。今日もそうだったが、歴史を変えるとき、みんなで特別な瞬間を、特別なことを成し遂げられるのは、本当に勇気を持って前進した奴だけだと思うので。それが自分たちでありたいし、それがマリノスらしさだと思う。もう何も恐れず戦いたいし、いい準備をしたい」。苦しみながら果たした8強進出の勢いで、アジアの頂点まで勝ち進むつもりだ。

(取材・文 石川祐介)

●ACL2023-24特集
石川祐介
Text by 石川祐介

TOP