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食事・睡眠・呼吸法【EXITりんたろー。】が部活生に伝えたいセルフケアのすすめ

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©『VOCE』連載「りんたろー。美容道」より

 自身の苦悩と奮闘を赤裸々に綴った初書籍『自分を大切にする練習』を刊行したばかりのEXITりんたろー。さん。「プレイヤー時代に、僕も知っておきたかった!」というオススメのセルフケアのメソッドを『ゲキサカ』読者であるサッカープレイヤーに向けてレクチャーしてもらった。



 サッカー推薦で大学まで進み、長谷川健太監督のもと、Jリーガーになることを夢見ていました。その矢先に、2度目の十字靭帯の断裂。プロの道はそこで絶たれ、お笑い芸人の道へと進みました。

 売れない時期が長かったせいなのか、売れ始めの頃、心身の健康を保つことができなくなりました。ベッドに入っても眠れない自分が分かっていたからか、仕事が終わってもまっすぐ家に帰ることができず、浴びるように酒を飲む日々。朝はなかなか起き上がれずに、仕事に遅刻してしまうこともしばしば。自律神経が乱れていたのだと思いますが、すぐに泣けてきて涙が止まらなくなるし、気持ちもめちゃくちゃ打たれ弱く。仕事のパフォーマンスが下がって、どんどん負のスパイラルへ。その頃、体重が爆増し、100kgを超えました。

 そんなとき、「キレイになるって仕事、増えるんじゃね?」と美容を始めたことで、美容メディア『VOCE』で連載がスタート! そこで得られる知識は目から鱗の連続で、習った知識を生活に取り入れ出したら、みるみるうちに体調がととのい出し、それによりメンタルが安定しだしました。いつでも眠く、疲れが取れなかった身体が軽くなるのを感じ、仕事中の集中力、持久力が明らかに高まりました。現場であわあわして、落ち込む。その繰り返しだった自分が、次第に、その結果を楽しめるようになってきました。

 サッカープレイヤーの方、現役で活躍できる期間を長くしたい方、スポーツに限らず、仕事や日常でのパフォーマンスを上げたい方……僕が実践してよかったと実感している、すぐ簡単に取り入れることができ、体調や心がととのえられる「自分を大切にする練習=セルフケア」のアイデアを紹介します!

セルフケア1. 鈴木啓太さん直伝! 持久力を上げるための「腸活」



 引退試合にも駆けつけた、尊敬する元日本代表MFの鈴木啓太さん。「プロとして16年間できたのは腸活のおかげ」と実感したことから、現在はその素晴らしさを伝えるため起業されています。

 腸活の効能として「免疫力アップ」が有名だと思いますが、啓太さんとの対談では、その他、ストレスと腸の関係(大一番前にお腹がゆるくなりやすい人はピンときますよね?)や、アスリートの持久力には腸のコンディショニングが関係している話など、興味深い話がたくさん飛び出しました。

 筋トレをしたり、ストレッチをしたり、練習後に脚を冷やしたり……いろいろなメンテナンス方法があると思いますが、これからは日常生活の中で、是非「お腹(腸)」を意識してみてほしいなと思います。

【腸をととのえる4つのポイント】
①食事でととのえる
 なるべく多種類の食材を取り入れる。菌を腸に取り入れる食材(主に発酵食品)と菌のエサになる食材(主にキノコや根菜類)。2つの働きのある食材をバランスよく食べる。

②運動でととのえる
 週に2回以上適度な運動を取り入れると腸内細菌が育ちやすくなる。

③温めてととのえる
 腸内細菌が活性化す温度は36~37℃。そのために、腹巻きをつける、入浴をする、温かいものを飲む、など。

④睡眠でととのえる
 腸は副交感神経が優位になる時間帯に活発に。質のよい睡眠を心がける。

©『VOCE』連載「りんたろー。美容道」より

セルフケア2. メジャーリーガーも実践! 勝負前の「呼吸法」



 メジャーリーガーを始め、一流アスリートへのアドバイスも行う医学博士の根来秀行先生から聞いた自律神経のお話。「交感神経と副交感神経が対になってバランスを取りながら、無意識でも呼吸や心拍、血圧など、人間が生きるために必要な働きを制御している。自律神経をととのえる唯一の手段が呼吸法」だと教えていただいた(横隔膜には自律神経のセンサーがたくさんあるのだそう!)。

 そこで、先生にレクチャーいただいたのが、448呼吸法と555呼吸法。「力士の方には、基本のパターンとして、花道にいるときは448呼吸をして、土俵前にきたときには55呼吸をしてくださいと伝えています。この2つを組み合わせると緊張をほぐしつつ、取組直前に集中力が上がるので、実力通りの力を発揮できます」(根来先生)。

 先生はメジャーリーガーから「ここぞというときに緊張しすぎて体が動かない」と相談を受けたことがあり、選手たちの自律神経を測定したら、交感神経が振り切れ、緊張しすぎて力が発揮できていないことが分かったそうです。

 試合のときに「練習のときのように思うように体が動かないな」と感じる方は是非、試してみてください。

【副交感神経を高め、リラックスできる4・4・8呼吸法】
 お腹をふくらませながら、鼻から4秒で吸って、4秒止めます。次に鼻から8秒で息を吐く。これを繰り返す。

【交感神経を高め、集中力が高まる5・5・5呼吸法】
 5秒吸って、5秒止めて、5秒で吐いて、5秒止める。これを繰り返す。

新著ではボディメイク、インナーケア、スキンケア、メイク、そしてメンタルケアのカテゴリー別にセルフケアのアイデアを紹介

セルフケア3. 「睡眠の質を上げること」が最高のストレス解消法



 人気精神科医の樺沢紫苑先生からは「寝ることが最高のストレスケア。夜、入眠準備をすることが大切」と教えていただきました。「ストレスを感じた日は、できるだけ早く寝るのが一番」とも!

「諸説ありますが、カリフォルニア大学の睡眠時間と死亡率を調べた研究によると、睡眠時間は6時間半~7時間半の人が最も長生きをしているという結果も」(樺沢先生)。

 睡眠が減ると脳のパフォーマンスが劇的に下がります。例えば6時間睡眠を14日間続けると丸2日徹夜したのと同じくらいの認知機能に。集中力、判断力など、睡眠不足の人は本来持っている能力の3~5割減で仕事をしているのと同じくらいなんだそうです。さらに、太りやすくなるというリスクも確認できているそうです。

 できるだけ、良い眠りにつける習慣をつけたいですね。

【「良眠」のために今すぐチャレンジ】
・寝る前、スマホを見ないこと。
 ブルーライトは午前中の青空の波長と同じ。スマホを見ると脳は朝だと勘違い。

・眠る90分前にお風呂に入ること。
 90分前の入浴で、寝る頃には深部体温が1度下がり眠くなる。

・②で紹介した「4・4・8呼吸法」
 目がさえてしまっているときは、副交感神経が優位になる呼吸法をゆっくりと行う。

洗顔や日焼け止めの話など、学生時代に聞く相手がいなくて苦労した美容のメソッドも収録

「活躍したい!」「成績を残したい!」と、気持ちや気合いだけでパフォーマンスを上げようとするのは難しいと思います。せっかくの練習の効果を最大限に発揮するためにも、まずは、上記の3つのセルフケアのいずれかだけでも、日常に取り入れ、自分の身体や気持ちがととのってくるのを感じてください。すべてが「健康」であることがベースになるということに気がつくと思います。

 身体のケアをないがしろにして気合いだけで乗り切ろうとしていた僕は、これらの「自分を大切にする練習」を自分のストレスにならない程度に、日々の生活に取り入れています。是非、参考にしていただけたらうれしいです。

<書籍概要>


■書名:『自分を大切にする練習 コンプレックスだらけだった僕が変われたすべてのこと』
■著者:りんたろー。
■価格:1650円
■発行元:講談社

「1日でも長く芸人として活躍したい」と願う著者が、セルフケアアイデアとともに、自身の過去の苦悩をエッセイで綴った待望の初書籍。「たくさんの方に自分の体験をシェアしたい」という思いから、現在の人気を手にするまでの七転八倒の全記録を赤裸々に曝け出した。

著者プロフィール:
1986年生まれ。2008年4月、東京NSCに14期生として入学。2017年末に兼近大樹を誘い、お笑いコンビ「EXIT」を結成。ネオ渋谷系チャラ男漫才と称するしゃべくり漫才のツッコミを担当。ネタ作りも担う。アーティスト活動やアパレルのプロデュースも行い、マルチに活躍。テレビ朝日『ラブ!! Jリーグ』レギュラー出演中。フジテレビ系FIFAワールドカップカタール応援隊員に任命される。

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