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OGの仲田は涙の交代。「自分のミスで失点した」

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[8.22 U-20女子W杯A組 日本2-2ニュージーランド 宮城ス]

 涙また涙だった。試合後の取材エリア。うつむき加減で姿を現した仲田歩夢(INAC神戸)は真っ赤な目のまま、それでも気丈に試合を振り返る。

「前回の試合(メキシコ戦)では得点できなかったので、今日はしたかったのですが……。自分のミスで失点してしまって……」

 ミスの場面とは前半11分。ニュージーランドの右サイドからのクロスをゴール前の長身FWウィルキンソンが押し込む。すると、ゴールを防ごうとポジションを取っていた仲田の右足にボールが当たり、そのままネットに吸い込まれてしまった。

 見た目にはピンチをしのいだかと思えた状況でオウンゴールによる先制点を許すことになっただけに、確かにダメージはあった。仲田自身もチームも浮き足立ってしまい、4分後に2失点目。吉田弘監督はその後、右の横山久美(岡山湯郷)と左の仲田のポジションを変えて横山の一発の力を期待する布陣を敷くが、右に移った仲田は左サイドで見せていたような躍動感を失ってしまう。そして、29分、仲田に交代の指示が出た。

「監督には『敵もあまり来ていなかったので、あそこで蹴ってしまうのではなく、もう少し落ち着いて簡単に外に流して、ボールを切ってもよかったぞ』と言われました。みんなは『悪くなかったよ』と声を掛けてくれたけど、試合が苦しくなってしまったのは事実。(ミスを)自分で返したいという思いはあったけど、足りなかったところがあっての交代だと思うので、代えられたことに不満はありません」

 戦術上の交代であるのは明確だが、前半での交代は心情的には厳しいものがあり、取材エリアでの仲田の目には最後まで新しい涙がこみ上げ続けた。

 とはいえ、チームはその後、2点を返して勝ち点1をもぎ取った。グループリーグ最終戦で引き分け以上なら決勝トーナメント進出が決まる。悔しさは試合で晴らすだけ。自身のプレーで取り返すチャンスはまだある。

(取材・文 矢内由美子)

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