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「長友vsフッキ」胸躍る再戦の舞台はJから世界へ

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 長友を日本代表へと押し上げる転機となった思い出のマッチアップが、ポーランドで蘇る。ブラジルとの試合を2日後に控え、 DF長友佑都(インテル)がFWフッキ(ゼニト)との“再戦”に言葉を弾ませた。

「ブラジルにはJリーグ時代に対戦したフッキがいる。僕がJでデビューしたときに対戦して以来なので、今回、フッキと勝負できるのが楽しみです」

 忘れようにも忘れられない“初対決”は、明治大学在学中ながらFC東京とプロ契約し、レギュラーとしてプレーしていた08年4月12日の東京ダービーで実現した。長友は、マッチアップした東京Vのフッキを完璧に封じ込めることに成功した。

 当時のフッキは、前年の07年にJ2で42試合出場37得点という驚異的なゴール数でJ2得点王に輝くなど、J2史に残るインパクトがあった。身長180cm、体重85kgの重戦車並みの体格ながら抜群のスピードを誇り、シュートは時速100キロと言われていた。

 そのフッキを止めたのが、170cm、68kgの長友だ。大人と子供ほどの体格差のある相手に、勇猛果敢に体を寄せるしつこい守備で真っ向から対峙。フッキは1ゴールを奪ったものの、長友の守備にイライラを募らせて後半43分に2度目の警告を受けて退場。試合はF東京が2-1でダービーを制した。

 フッキを押さえたことで名を馳せた長友は、その1か月後に日本代表に招集され、同年5月24日のコートジボワール戦で国際Aマッチデビューを果たした。

 年齢は同じ26歳。Jの舞台での対決から4年がたち、長友は日本代表の中心選手、そしてフッキもブラジル代表となってレギュラーの座を手にしている。

「彼が先に世界に出ていったことで、彼に負けたくないと僕も頑張ってきた。ブラジルはみんなトッププレーヤーだけど、中でもフッキとの対戦は楽しみ」

 ともに14年W杯では世界の頂点を目指す2人の対決から目が離せない。

(取材・文 矢内由美子)

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