beacon

[ヤングサッカーフェスティバル]“王国の意地”静岡県ユース選抜が年上の日本高校選抜から2発

このエントリーをはてなブックマークに追加

[3.10 静岡県ヤングサッカーフェスティバル男子の部 静岡県ユース選抜2-4日本高校選抜 草薙球]

 相手の迫力に屈した後半に3点を奪われて逆転負けを喫したものの、静岡県ユース選抜は2度リードを奪い、“王国”の意地を見せた。高校3年生中心の日本高校選抜に対して、静岡選抜は2年生12人と1年生4人の構成。ただ11年の山口国体少年男子の部で千葉県と同点優勝しているメンバーは日本高校選抜を十分に苦しめた。

 前半21分にMF北川滉平(磐田U-18)の右クロスのこぼれ球を逆サイドでフリーだったMF土居柊太(浜松開誠館高)が落ち着いて沈めて先制すると、1-1に追いつかれた直後の24分には相手のミスを突いたFW中野誠也(磐田U-18)がGKをかわして勝ち越しゴールを奪う。またゲーム主将の鈴木準弥(清水ユース)、山本新太郎(磐田U-18)の両CBを中心とした守りで相手の攻撃を跳ね返すと、MF梅村晴貴(磐田U-18)とMF鈴木拳士郎(磐田U-18)を軸とした中盤は日本高校選抜のプレッシャーを外してボールを動かすなど、堅守と縦へのスピードで全国制覇した国体からそれぞれが進化していることを印象づけた。

 再三中盤で相手のマークを外していた10番MF梅村は「自分だけできてもチームが変化しなかったら意味が無いので、自分でフィニッシュまでコントロールできたらもっと良かった」と反省していたが、年上の日本高校選抜から2点を奪い、戦い抜いた80分間については「守備は通用するし、個々も負けていないと思っている」と強気だった。

 静岡選抜は8月のSBSカップ国際ユースサッカー大会でU-18日本代表などを迎え撃つ。前半は新たに取り組んできたポゼッションから中野のスピードを活かした攻撃を見せるなど日本高校選抜に対抗したが、後半は選手間の距離が離れ、個人頼みの攻撃になってしまっていた。またアンラッキーな失点から崩れてしまった点は今後に活かしたい。廿日岩亮監督(気賀高教)は「苦しい時は我慢しなければいけない。あの苦しい時間に耐えて切り抜けることが今後SBSでやっていくためには必要」。今回、昨年に続く日本高校選抜撃破は叶えられなかったものの、MF石毛秀樹(現清水)やFW風間宏矢(現川崎F)を擁した2年前はSBS国際ユースサッカーでU-18日本代表に逆転勝ちして優勝しているだけに、夏に再び静岡の強さを示す。

(取材・文 吉田太郎)

TOP