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FW興梠ACL通算日本人最多ゴールも「あれが阿部ちゃんと僕の差」

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[4.24 ACL第5節 浦和3-2広州恒大 埼玉]

 浦和レッズのFW興梠慎三は、前半24分にMF阿部勇樹がPKを失敗した場面を見ながら、Jリーグ第5節の磐田戦(2-1)のことを思い出していたという。「僕もジュビロ戦でPKを外して、その後のプレーに影響した部分が多少ありました。阿部ちゃんも今日、きついことを言うと、PKを外した後に良いプレーできずに引きずったままプレーしたように見えました。だから、どうにかしてあげたいなと思っていました」。

 1点ビハインドで折り返した後半7分、興梠はMF平川忠亮の「あれはシュートを打ちました」というボールが流れてきたところを、左足で合わせてゴールに流し込んだ。「枠外にシュートが来ると思っていました。ちょうど良いところに来たので、本当に触るだけでしたね。FWとしてああいうところを狙っているのは大事なこと。ごっつぁんかもしれませんが、すごく大事な一点でした」と、興梠は同点弾を振り返る。

 興梠の言葉どおり、この1点で同点に追いついた浦和は、一気に2点を立て続けに取り、一気にリードを広げた。2点目を取ったのはPKを失敗した阿部だった。「阿部ちゃんがPKを外して、どうにかしてあげたいと思っていましたが、僕がどうにかする前に、阿部ちゃんは自分で2点目を取りましたからね。あれが(磐田戦ノーゴールだった)僕と阿部ちゃんの違う所だなと思いました」と、自虐的に語って報道陣を笑わせた。

 そんな興梠だが、ACL通算11得点目を挙げて、同大会における日本人最多得点者となった。試合直前に友人から連絡が来るまで、そのことを知らなかったという興梠は「最多ゴールを狙おうという気持ちはありませんでした。でも、そういう記録に残ることは、やっていて嬉しいことですし、何よりチームが勝てたことが良かった。これで負けていたら僕のゴールなんて関係ないし、喜ばしいことでもない。これで勝てたことを嬉しく思います」と、記録を打ち立てたことよりも、チームが勝利したことが重要だと語った。

 チームを第一に考えるFWは、自身のプレーにも納得できていない。「自分としては、大宮戦と今日の試合は、本当にダメだった。もっと前線で体を張って、チームにもっと楽をさせてあげたい。自分のところでボールが収まらなければ、ウガ(宇賀神友弥)とか平さん(平川忠亮)とか、上がってくることができませんし、内容的には物足りなさはあります。そこを課題に次、Jリーグでは清水とやるので、同じことを繰り返さないようにやりたい」。浦和加入後、公式戦2得点目を挙げ、結果を残している中でも、さらに高いハードルを自らに課していた。
(取材・文 河合拓)
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