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新生フットサル代表の初ゴールを決めたFP仁部屋「大分では絶対に勝ちます」

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 15日の親善試合で1-5と敗れたフットサル日本代表。大量失点を喫した中で、後半18分に意地のゴールを返したのが、FP仁部屋和弘(バサジィ大分)だった。昨年のフットサルW杯では、最終候補メンバーに選ばれていたが、FP滝田学とともに最終メンバーから落選。仁部屋自身は「前進するのみです」と、当時を振り返ることを嫌う。だが、次のステップに進みたいという意欲は、しっかりとプレーからも見えた。

 ボールを持てば、アルゼンチンを相手にもひるむことなく、積極的に向かっていく。味方に対しても、『オレにパスを出せ!』とばかりにパスを要求した。飄々としている印象が強いが、自分が新生日本代表を引っ張っていくのだという気概を見せた。

 その象徴的なプレーが、後半18分のゴールだろう。日本はFP小曽戸允哉(バサジィ大分)をGKにパワープレーを仕掛けていた。左サイド後方でボールを受けた仁部屋は、アルゼンチン守備網の中央のスペースへ切り込んで行った。即座に相手はスペースを消しに来たが、仁部屋は密集の中でボールをさばき、シュートをゴールにたたき込んだ。

 パワープレーは数的優位を生かして、パスをつなぐことが多い。その中で、やや強引にも見えたプレーだったが、仁部屋には確信があったという。

「自分の中では『行けるな』というのがありました。取りに来られても『絶対に行ける』という気持ちがあったので。逆に周りの選手たちが、(マークを)引っ張っていてくれたこともあったので、自分の中では打ちにいこうと思っていました」

 今回の日本代表は、ドリブラーの選手が増えた。その理由についてミゲル・ロドリゴ監督は「日本には個の能力のあるタレントのある選手がいます。よくタレント不足といいますが、私の下にはタレントのある選手がいるので、彼らを使うだけです」と、説明した。その筆頭となるのが、仁部屋だろう。ゴールを挙げたことについても「点を取りたいというよりも試合に勝ちたかったので、そっちの悔しい気持ちの方が大きいです」と、コメントし、チームの結果に強いこだわりを見せた。

 18日、フットサル日本代表は初めて大分で試合を行う。仁部屋は出身地での一戦での必勝を誓った。「勝ちたいですね。絶対に勝ちます。勝って、フットサルをもっともっと高めていくというか、広げていきたいです」。断固たる決意とともに、天才は地元で覚醒のときを迎えるか。

(取材・文 河合拓)

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