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宮市「日本代表のポテンシャルは凄く大きい。W杯優勝はできると思います」

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 来年のW杯ブラジル大会で日本の切り札として期待されるFW宮市亮。昨シーズンは不運な怪我などによって満足の行くシーズンにはならなかったが、順調にリハビリが進んでいる。中京大中京高(愛知)から名門・アーセナル(イングランド)と契約し、フェイエノールト(オランダ)、ボルトン(イングランド)で欧州に衝撃を与えてきた高速アタッカーは来シーズン、そしてW杯へどのような思いを持っているのか。「(当時から)ゲキサカ、見させてもらっています」という高校時代の話も注目。そして日本サッカー期待のFWの現在とは?

以下、インタビュー要旨
―弟の剛クン(中京大中京3年、U-18代表候補)が1月に「昨年は兄貴にとっても自分にとってもいい1年ではなかった。今年は2人にとっていい1年になれば」と話をしていました。1年の半分が終わって、今の心境は
「サッカー選手として悔しさやモヤモヤがあるんですけど、シーズンを終えてそういうことを考えてもしょうがないですし、来年いかに、自分がどう頑張るかなので、しっかりとそこに照準を置いて今、頑張っています」

―リハビリは順調? 来年羽ばたく準備はできている?
「手術も人生初めてで、それもロンドンで。海外でなかなか手術もできないですし、違った経験ができた。そこからいい経過できていると思うし、来年へ向けていい準備ができていると思います」

―ヨーロッパで3年目、手応えをつかんでいる部分やいろいろなことを試しかった1年だったと思うが
「いろいろなことをしたかったですし、いろいろなことを望んでいた。そういう中で怪我をしてしまって、1年棒に振ってしまったということで非常に悔しいですね」

―どのようなことをチャレンジしたかった
「ボルトンでプレミアリーグを経験させてもらって、プレミアリーグがどういうものか肌で感じさせてもらった。そしてウィガンで臨むシーズンで何か結果を残せるんじゃないかと。結果をどうしても残したかった」

―自分のプレー、動きが活かせると感じていた
「ウィガンのプレースタイルが自分のプレースタイルに合っていた。監督のボクの使い方が自分にも凄くフィットしていたし、期待値は高かった。それだけに怪我が残念でした」

―怪我したことで見えたものはある?
「試合を外から見ることが多くて、ボクは結構ドリブルするタイプだと思うんですけど、相手のMFとDFがいて、MFの前で受けて、DF、MFと2人と対峙する状況が多かった。自分が対峙する人と、もう1コ向こうに人がいる形だったんですけど、外から試合を見ていると、ディフェンスラインとMFの間で受けて前を向くと、DFとだけ対峙してシュートが撃てたり、ドリブルも行けたりしていた。それを見て、自分に足りないのはこういうところなんだなと思った」

―よりいい位置で受ける重要性を感じた
「1コボランチを飛ばした縦パスをDFとMFの間で受けて前を向いて仕掛けていくと、DFとしては怖いと思うんですよね。香川選手は近くにいて見ていましたけれど、そういう動きが上手いなと思いましたし、ボクに身についてくれば、得点もアシストも伸びてくるんじゃないかと思いました」

―ゴールやアシストの結果についてはやはりこだわる? 宮市クンはそれ以外のプレーでも観客を総立ちにできると思うが
「結果というのは代表に入っていくためにも必要ですし、プロとしてやっていく以上、結果は必要。もちろんドリブルで観客を沸かせるということはボクは大事にしているところなんです。お客さんを喜ばすということはプロとして当たり前のことだし、大事だと思う。でも選手として上に行く時に結果というものも大事だと思う。ドリブルで抜いていくのって派手じゃないですか。そのいい意味での派手さを大事にしつつ、結果というものを求めて行きたい。お客さんを喜ばせたいですし、自分の良さというものを出してお客さんにも喜んでもらえるし、選手としても上に行くという、2つはしっかりとやらないといけないと思っている」

―その両立は難しいけれど、できる、やっていかないといけないと思っている
「プロとして両立させていかないといけないと思っています。ただ、ゴールを獲るのがこんなに難しいとは思わなかった。高校サッカーからいきなり飛び込んで、高校サッカーでは点は取れましたけれど、こんなに点て取れないものなのかなと。結構、そういう壁とかいうのはありますね」

―ゴールを取れない理由として感じているものはありますか
「シュートが少ないかなと。左サイドの時はいいですけど、右サイドで起用されている時に縦に行ってクロスという形になりがちなんですよね。だから一コ中に入って左足でシュートとか、自分の中に入れていかないとゴールも生まれてこない」

―高校時代まで持っていた型を発揮させてもらえない
「高校時代は左サイドでプレーする機会が多くて、プレミアでも左サイドでプレーしている時は自分の中で手応えがある。ボルトンの時のチェルシー戦だったり。そこから右サイドで起用されることが増えて、自分は縦に行くことが多くなってしまったんですよね。左サイドでは自分の持っている形というものを出せるんですけど、それが右サイドだとなかなか出せない。そこでの葛藤がありますね」

―今はその葛藤はクリアできている
「自分の中で試行錯誤しながらやっていますね。実戦の場から離れてしまっているのでなかなか試す機会はないですけど、より右も、左もとなれば、アーセナルからも必要とされる。現代はひとつのポジションだけでは生き残っていけないですし、ボクはベイルなんかを参考にしているんですけど、彼はSBから、ウイングから、今年はトップ下としてもプレーしていたので、そういう選手になっていかないといけない」

―帰国してから周りからの声はどうですか
「期待しているよ、という声を掛けられるので、これだけ期待されているんだなというのは率直に思いますし、期待に応えなければという思いもあります。ただ、今シーズンは結果を出したくて焦ってしまったのも怪我の要因かと思っていますので、そこは焦らずにやっていきたい」

―復帰を急いでしまった部分もあると聞きます
「そういうことも学べたかなと思います。焦ってもしょうがない。人って簡単な方にいきがちというか、焦りがちというか。そこで踏ん張って遠回りしてもいいから一番いい道を選択できるか。(昨シーズンに関しては)その選択をちょっと誤ってしまったというのがちょっとある」

―宮市クンと同じように怪我から復帰を目指す選手にアドバイスがあるとすれば
「お医者さんの言うことをよく聞くことですね。選手の皆さんは自分の判断でできると思って、やるところがあるんですけど、それはあまり良くない。痛くなくても我慢するところは我慢する。それが大事。選手はやりたがるので、ボールを蹴っちゃったりするんですけど、そこで我慢をしてやることだと思います」

―復活してアーセナルへ。7月にはジャパン・ツアーもあります
「何とか間に合うとは思うんですけど、帰ってみてどうなるか。帯同したいです。正直、複雑な思いもあるんですけどね。ボクはアーセナルの選手として1シーズン戦っていないですし。そういう思いはあるんですけど、ボクは生き残る立場ですし、出たからにはしっかり結果を残してアーセナルでのポジションを獲得したい」

―スピードのこだわりについて教えてください
「ボクから速さを取ったら何も残らない。親から頂いたものを磨いていくしかないし、大事にしていくしかない」

―現在、その活かし方についてはどのように考えている?
「より緩急ですね。よりゆっくりから速くとか。より判断のスピードを上げることも必要です。ドリブルで行くときとかもゆっくり行きながらスピードを上げる」

―宮市選手には独自のスピードがありますが、その緩急はスピードのない選手にも必要?
「緩急というのはスピードのない選手にも必要だと思いますけれど、ボクにはスピードがあるからそういう活かし方をしている。キックが上手いとか判断が速いとか、選手はそれぞれ特長を持っていると思う。その特長を出していってほしい」

―スパイク選びのこだわりについて教えて下さい
「軽さはもちろんですね。今は皮が薄くなっているので、ボールタッチとか感覚が良い。ボクはキュウキュウで履くよりも余らせた方がいい。ボールタッチの感覚がボクはそっちの方がいいんですけど、このマーキュリアルはそういうときでも全然ブレないし、いいスパイクだと思います」

―ヨーロッパの粘土質のピッチに慣れない選手が多いようだが
「ボクはポイントをちょっと変えるくらい。最初はズルズル滑っていました。これはスパイクに助けてもらっているところですね。実際試合をしていると、向こうの選手もズルズル滑っていますけれど(微笑)」

―ゲキサカはとても多くの高校生たちが見ているサイトです。高校時代についても教えてください
「高校時代は常にサッカー中心で回っていましたし、休みの日も出かけるのはサッカー部の仲間だし、今でも帰ってくればサッカー部の仲間と会いますし、青春のすべてですね、高校時代は」

―当時は朝も午後も練習を
「朝、学校の前に練習があって、学校終わってまた練習して夜帰ってきて、また朝行く毎日でした。(自主練も)なんだかんだ、みんな残ってやっていましたね」

―練習がキツクてもみんな必死に上手くなろうと
「プロになって思うんですけれども、高校生って凄いなと思うのは、みんなあの暑い中であれだけ走れるのはやっぱり凄いなと思う。全然プロよりも凄いと思いますよ」

―高校サッカーの凄さをイングランドに行っても感じる
「向こうのユースとかも見たりするんですけど、いい環境でやっているというか、チームそれぞれなんですけど、向こうの選手って走るよりも筋トレが多いんですよね。高校時代はボク、めちゃくちゃ走らされましたから! 本当によく走りましたね」

―高校時代にもっとやっておけば良かったと思うことは
「もっとトラップを練習しておけば良かったと思います。あまり得意ではないので。高校レベルでは全然問題ないなと思っていたんですけど、プロに行って感じたのはプレッシャーの寄せが速かったりした時に、より止める技術が必要になること」

―時間の使い方についてはどうでしたか
「それはあまりないですね。高校時代はがむしゃらにやればいいかなと思います」

―弟の剛クンに対してもそうアドバイスを?
「がむしゃらにやって、失敗すればそれは経験だし、成功すればそれは自分の糧になるし、いろいろな経験をして泣いて、笑ってじゃないですけど、それが高校サッカーかなと思います」

―選手権、全国大会に出ることを目指していた
「高校のウチにあれだけ取り上げられるということは本当に凄いいい機会。選手も学校も盛り上がりますから」

―主将として苦労は
「あまりなかったですね」

―特別かけていたことばがあれば
「ことばというか雰囲気は結構、ピリッとさせていました。緩まないように練習のときはしっかり集中してピリッとさせて、監督がいなくなったらワーワーやるかって。メリハリはしていましたね」

―この後、ワールドカップへ向けて横一線でメンバー争いがスタートするけれど、代表への思いについて
「代表というのは特別なところですし、今は試合に出れずにワールドカップを決める大事な戦いがありますけれど(取材日は6月3日)、行ってほしいと思います。一方で選手としてこの場にいられないのは悔しいので、ぜひ来年、クラブチームで、自分のチームで頑張って代表に入ることが第一」

―現在の日本代表は呼ばれてから、試合に出るまでが難しい印象
「小さなチャンスをどうやって掴むか。練習でもそうですけど、練習のミニゲームにしろ、点を取ったりすることが絶対に大事だと思いますし、監督に『使いたい』という印象を与えたい。出ている選手はもちろん信頼されていますけれど、新しく入った選手はインパクトというか、印象付けないといけない。印象付けられるという機会は練習くらいしかないと思いますし、あとはクラブチームでどれだけ活躍することができるか」

―ワールドカップへかける思いは
「日本中、世界中が盛り上がる大会。それに出られるということは凄い光栄だと思いますし、それに出るためにはまず自分のチームで活躍しなければならないと思う。しっかりいい準備してまた代表に選ばれるように頑張りたい」

―次回というよりも今回に懸けている
「少しでもチャンスがあれば、そこにかけるというのが選手の義務。狙っていきたいですね」

―日本代表のポテンシャルについてはどう感じますか
「どんどん強くなって行くんじゃないかと思いますね。日本代表のポテンシャルというのは凄く大きいと思います」

―ワールドカップ優勝は
「ワールドカップ優勝はできると思いますね。ボクは日本のプロ、Jリーグを経験していないので初めて日本代表に行った時に代表選手の動きを見て、めちゃくちゃ上手いなと思った。その面では全然世界に劣っていないと思いますし、全然やれないことはないと思いますね」

―現役の間に世界一へ
「頂点に立ちたいですね。ボク自身、優勝という経験があまりないので、優勝したい」

―宮市選手にとってはU-17ワールドカップがターニングポイントだったかと
「ナイジェリアなんて行ける国ではないし、ボクらにとっては新鮮で、いろいろなことが新しかったかなと。凄い楽しんでいましたね。でもボク自身、あの当時はスタメンではなかった。スタメンで、日本代表でワールドカップに出るというのは凄い大きいところだと思います。(今回のワールドカップについては)途中出場にしろ、(メンバーに選ばれれば)日本を代表して出ていることなので何かしら力になりたいと思います」

―代表での兄弟2トップも期待されます
「将来A代表で、兄弟でコンビが組めたらいいですけどね。(3学年離れているため)今までコンビを組んだことはないです。まさかここまで来るとは。あんなチビが(微笑)。いつの間にか大きくなって。帰ってきたら毎年大きくなって驚いています」

―最後にゲキサカの読者へむけて
「少しでも取り上げられるように、まずはしっかりと試合に出て、皆さんにいいニュースを届けたいと思いますし、怪我をしてしまったらチャンスを掴みたくても掴めないと思うので、しっかり怪我を治して、シーズン通して怪我をせずに試合に出れるようにやっていきたい。そんなに焦ることはないですし、しっかりとチャンスを待って、準備をして、来る時にチャンスを掴めるようにやっていきます」

(取材・文 吉田太郎)


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