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アタッキングサードで存在感を見せた1Aの槙野「柿谷と互いに良さを引き出せた」

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[7.21 東アジア杯 日本3-3中国 ソウル]

 アルベルト・ザッケローニ監督が「特に相手のアタッキングサードに入ったときに魅力的な動きをする選手」と評価していた通り、DFながらアシストで存在感をアピールしたのが左SBで先発したDF槙野智章(浦和)だ。

 慎重な試合運びに終始した前半は、得意のオーバーラップをほとんど出さなかったが、1-1の振り出しに戻っていた後半は持ち味を出すことに成功した。

 その場面は日本が攻め込んでいた後半14分。左サイドでボールを受けた槙野はドリブルで前に持ち出すと、GKとDFの間のスペースへ低めで速いクロスを上げる。ニアに飛び込んできたのはFW柿谷曜一朗(C大阪)。

「合流してからの最初のトレーニングで、クロスの練習をした。そこで監督から求められたのは『GKとDFの間にクロスを入れよう』ということ。なおかつ試合前に(柿谷)曜一朗から『槙野君、僕はここに入るので入れてくれ』と言われていたので、僕はそこに入れたし、彼もいい動きをしてくれた。僕も彼の良さを引き出せたし、彼も僕の良さを引き出してくれた。あうんの呼吸。非常に良かったと思う」

 DFとあって3失点には反省点も多いが、むしろ槙野はポジティブな要素を強調する。

「前線の選手の個人の能力の高さは証明できたと思う。普段一緒にやっていないメンバーの中でも随所に良いコンビネーションが見られ、攻撃では非常に怖さのある、いい動きができた。3失点はいただけないが、今日の試合に限っていえば、先制点をすぐに食らった中でもすぐに追いつけたことはプラス材料だったと思う」

 試合中は観衆が少なかったこともあり、槙野の声がピッチ内に響いていた。元気さを失いかけていたザックジャパンに与えるプラスアルファの力。槙野にはその魅力もある。

(取材・文 矢内由美子)

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