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同点弾演出の横浜FM小椋「空いているのが見えた」

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[4.2 ACLグループリーグ第4節 横浜FM3-2メルボルン・ビクトリー 日産]

 ボールを受けた瞬間、視線は前へと向けられた。前半21分、1点を先行された横浜F・マリノスのMF小椋祥平はDFファビオからボールを呼び込むと、自陣から相手最終ラインの裏を狙ったロングボールを蹴り出す。ボールは相手DFの背中に当たる幸運に恵まれてFW伊藤翔へと届き、貴重な同点ゴールへとつながった。

 前節対戦した相手だからこそ、狙うべきポイントがあったと小椋は振り返っている。「自陣でボールを受けましたが、あそこの位置まで相手があまり厳しくこないことは分かっていた。そこで前を向いて裏が空いてるのが見えた」と状況をしっかり判断して、プレーを選択する。さらにここまで出場機会が少ない中でも、外からチームを分析していたことがプラスの効果を生んでいた。「最近は遅攻が多いと外から見ていて感じていたので、点につながらなくても裏を狙えば逆に足下が空くかなと思った。それが得点につながって良かったです」。

 ACLでこそ3試合連続での先発となったが、ここまではベンチを温める機会が多くリーグ戦での出場はわずかに1分。しかし、ボランチを組んだMF中町公祐との関係も良好だった。「僕たちは勝たないといけなかった。ただ、リスクを冒して攻めなければいけないけど、その中で2人でしっかりリスクマネジメントしようと話していました。2人とも上がり過ぎたり、2人とも下がり過ぎたりしないように。そういうバランスでできたと思います」。その結果、小椋が1点目を演出するだけでなく中町が2点目を奪うなど、ボランチコンビは逆転勝利に大きく貢献した。

 しかし反省すべき点もあった。試合終了間際、中盤で相手に簡単に振り切られると、その流れから2失点目を許してしまう。「僕が簡単に交わされて失点につながってしまった。あそこで相手のプレーを遅らせて冷静に対応できないといけない」と唇を噛んだが、この1勝がチームにもたらすものは大きいと語った。「ACLで勝てていない事実があったので、チームとしても逆転勝ちできて、これから勢いに乗って行けると思う。可能性はまだあるので少しでも上を目指してやっていきたい」と話したように、視線はすでに次戦以降を見据えていた。

(取材・文 折戸岳彦)

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