[慶應スポーツ ゲキサカ版]
[4.16 関東1部・リーグ第3節 慶應義塾大2-1中大 湘南BMWスタジアム平塚]

　開幕から2試合連続で無失点。「堅守速攻」を体現する慶大イレブンが今節も結果を残し、スタートダッシュを決めた。前節、1人退場者を出しながらスコアレスに持ち込み、勝ち点1を挙げた慶大。今節の相手は、ここまで無得点と流れに乗り切れていない中大だ。立ち上がりの10分、加瀬澤力(2年=清水東高)のFKの流れから宮地元貴(2年=東京Ⅴユース)が頭で押し込み、幸先よく先制。ここから慶大は開幕戦のような「1点を取って守る」(須田芳正監督)堅実な試合運びを見せ、78分に途中出場の平戸奨眞(4年=暁星高)が、貴重な追加点を挙げる。終盤に今シーズン初失点を喫してしまったものの、このまま逃げ切り2-1で勝利を収めた。

　慶大は出場停止の端山豪(3年=東京Vユース)に代わり、浅間翔大(4年=暁星高)を起用。他の選手は3試合連続スタメンとなった。迎えた10分、慶大が試合を動かす。相手陣でFKのチャンスを得ると、キッカーは加瀬澤。右足から放たれた正確なキックは、ファーで待つ望月大知(2年=静岡学園高)の下へ。望月が折り返したボールを最後は、飛び込んだ宮地が頭で押し込み慶大が先制ゴールを挙げる。開幕戦でも見られたこの形。開幕前から練習していたというセットプレーが、「堅守速攻」を掲げる今年の慶大の重要な得点源になりそうだ。慶大が先制した後は、両チームともなかなかチャンスを作ることができずに前半を終える。

　後半、慶大は両サイドバックの裏をつかれ、中大に多くのチャンスを与えてしまうが、必死にリードを守る。そして78分、加瀬澤が今度は左足で魅せた。バイタルエリアで前を向いてボールを持つと、相手のプレスが一瞬遅れたところを見逃さない。左足でのループシュートが枠をとらえると、相手GKが指先で触りクロスバーに当たるが、こぼれ球に反応した平戸がきっちりとゴールに沈める。86分に中大のサイド攻撃から今シーズン初失点を喫してしまったが、その後は集中した守備を披露。慶大は今シーズン2勝目を挙げ、2位と勝ち点差なしの4位となった。

　今節の慶大は、「組織力の高さ」で相手を上回った。戦術の浸透こそが勝利の要因である。次節の相手は、ここまでの3試合で13得点を挙げ全勝中の専大。今シーズンも強さは本物だ。そんな専大相手に、慶大は爪痕を残せるのか。「どれだけできるか楽しみ」(増田主将)なこのゲーム、いま真価が問われる。


試合後の監督・選手のコメント

●須田芳正監督
―今日のゲームプランは
「1点を取って守る。それだけです」

―後半は中大にボールを持たれる時間が長かったが
「1点入れた瞬間、守り切ろうと言っていたので、あわよくばカウンターで追加点が奪えればという感じでした。なので問題はありませんでした」

―明大戦と同様に追加点を奪うことができたが、その要因は
「みんなが真面目に謙虚に耐えて、必ず1回か2回はチャンスが来るので、それをしっかりと決められた結果です。本当に選手たちがゲームプラン通りに真摯に取り組んでいるからだと思っています」

―前線の選手が結果を残しているが
「それが1番いいですよね。(点を)取るべき人が取って勝つというのが。まだ3節なので、うちはディフェンスからということでやっていきます」

―3試合で勝ち点7だが
「ある意味、去年からメンバーは変わっていないので他のチームと比較しても、強い弱いは別としてチームとしての成熟度はあると思います。なので、なるべくスタートダッシュで勝ち点を稼ぎたいと思っています」

―次節に向けて
「彼ら(専大)はチャンピオンなので、まさにチャレンジャーの気持ちでぶつかりたいと思います」


●増田湧介(4年=清水東高)主将
―今日の試合を振り返って
「最後に失点してしまったんですけど、全体を通して自分たちのやりたいことが出来て、勝てて良かったです」

―3試合で勝ち点7だが
「1試合1試合しっかりと、目の前の試合に臨んだ結果だと思っています。また切り替えて次の専大戦に向けて頑張っていきます」

―前線の選手の活躍が顕著だが
「(加瀬澤)力、(宮地)元貴の2年生の2人が頑張っているので、自分も前線の選手として負けていられないです」

―失点してしまったが
「しっかり失点シーンを確認して改善していきたいです」

―次節に向けて
「ここまで自分たちは非常にいい流れできているので、専大相手にどれだけできるか自分自身は楽しみですし、みんなも楽しみだと思うのでしっかり準備して臨みたいです」

(取材・文 慶應スポーツ 太田悠貴)


[次節試合予定]

第4節 4月20日 専大戦 (13:50@味の素フィールド西が丘)

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