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[JFAプレミアカップ]広島ジュニアユースが11年ぶりV!走って、力を出し尽くして世界へ!!

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[5.5 JFAプレミアカップ決勝 広島ジュニアユース 2-0 柏U-15 J-GREEN S1]
 
 8月に開催される世界大会「マンチェスター・ユナイテッド・プレミアカップ・ワールド・ファイナルズ」(イギリス)への出場権を懸けたU-15年代の日本一決定戦、「JFAプレミアカップ2014 supported by NIKE」決勝が5日、J-GREEN堺で行われ、ともに2回目の優勝を目指すサンフレッチェ広島ジュニアユース(中国、広島)と柏レイソルU-15(関東3、千葉)が激突。前半にFW明比友宏と左SB{岡野周太}}が決めたゴールによって広島が2-0で勝ち、03年以来11年ぶり2回目の優勝を果たした。広島は全5試合無失点で優勝。なお、大会MVPには広島のMF仙波大志が選出された。

 雨中の決勝で広島が走り切った。前半、ポゼッションでリズムを掴もうとする柏を広島のハイプレスが上回る。前線からCB、中盤へプレスをかける広島は沢田謙太郎監督の「今行かなかったらいつ行くんだよ!」の声も後押しに柏のパス回しを乱していった。立ち上がりから勢いに乗ったまま迎えた11分、広島はアンカーのMF川村拓夢が右オープンスペースへボールを入れると、これに反応した明比がキープして右サイドのFW藤原悠汰へ落とす。そして藤原がセンターサークル付近へ上がってきた川村へ折り返すと、川村のスルーパスに反応した明比がGKの股間を射抜く先制シュートを流し込んだ。

 先制された柏は準決勝までの相手を圧倒するようなパスワークが不発。酒井直樹監督は「前半の立ち上がりで一番恐れていた展開。前半もっていかれちゃうといけないということを入念に言っていたんですけど、それ以上に選手たちが広島の上手いプレッシングの圧力を感じていたのかなと思います。いつもよりも見えないプレッシャー、圧力も含めて感じていたと思う」。パスコースはつくっているのにも関わらず、前線からハイプレスを展開してくる相手の圧力の前に積極的なパスを出すことができず。攻撃は後ろよりに重くなってしまっていた。また前半に関しては、相手に引っ掛けてしまうシーンも多かった柏は思うようなパス回しができないまま時間を消費してしまう。

 逆に広島は21分、ハーフウェーラインから敵陣へ10mほど入った位置でFKを獲得すると、岡野が左足を振りぬく。これが、相手のセットプレーの強さを警戒してやや前目にポジショニングしていたGKの頭上を越えてそのままゴールへ吸い込まれた。2点ビハインドとなった柏は22分に右サイドのFW宮本駿晃からPAのFW中村駿太へパスを入れるなど、まず1点を返そうとするが前半はシュート2本で決定機をつくることができなかった。

 前半は広島の勢いに押された柏も後半は立て直してボールが縦にも入り出す。12分には右SB田中陸のスルーパスから落合がクロスを入れるなど、サイドを取るようなシーンも増えてきた。ただ主将のDF中丸大輝とDF里岡龍斗中心に今大会無失点の広島は相手にボールを持たれても、外されても、押し込まれてもプレスを怠らずに走り続ける。MF加藤匠人や前線でボールを収める中村を起点にボールの流れが好転した柏だったが、ラストパスや、ラストパスへつながるパスがカットされるなど、得点へ結びつけることができない。ベンチからの大声で選手を後押していた沢田監督は「途中『行けねーよ』と文句言うヤツもいたし、そりゃそうだなと思いながら、でも行けよというしかなかった(笑)」。広島は13分に交代出場のFW桂陸人が抜け出してPAへ侵入。18分には仙波が個人技で中央突破し、26分には右CKのクリアボールを岡野が左足で狙ったが、3点目を奪うことはできなかった。

 一方、CB中川創のスライディングタックルやMF落合陸のインターセプトなどから攻撃へ移る柏は27分には抜け出したFW朝倉涼介が左足を振りぬいたが、広島は中丸がブロック。柏は31分にも右クロスのこぼれ球に中村が反応したものの、DFにコースを変えられて得点することができなかった。そして試合終了の笛。「みんなのために、ベンチに入っていない人のためにも走ろうと思いました」という仙波ら広島イレブンの下へベンチから選手たちが一斉に駆け寄り、喜びを分かち合った。

 広島は昨年、準決勝で大宮ジュニアユースにボールを圧倒的に支配されて2-3で敗戦。ただ、やり切ることのできなかった選手たちは悔し涙を流すこともできなかったという。「発揮させてもらえないと何も残らない。やってきたことをやって力を発揮したら泣けるし、喜べる」という沢田監督の下、広島の選手たちは走って、力を出し切って栄冠をつかんだ。今夏に挑戦する世界大会でも戦い方を変えるつもりはない。指揮官は「そんな、世界仕様とかできないので、恥をさらすかもしれないですけど、形はこのままやるしかないかなと。できるだけ頑張っていくしかない」と笑い、中丸は「ボクたちはこういうサッカーなので変えるつもりはないです。今自分たちができることを100パーセント出して行けば、必ず通用するところがあると思う。それを勝ちに結び付けたい」と意気込んだ。

(取材・文 吉田太郎)


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